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【他科への手紙】整形外科→内科

No.4908 (2018年05月19日発行) P.49

斉藤 究 (さいとう整形外科リウマチ科院長)

登録日: 2018-05-16

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  • かかりつけ内科の先生方は、「整形外科の画像検査では異常がないと言われたのに、痛みが取れない」と相談を受けることも多いのではないでしょうか。

    X線上の変形が痛みの原因と言われてしまう時代が長く続きましたが、最近痛み診療の世界では筋膜性疼痛症候群(Myofascial Pain Syndrome:MPS)が脚光を浴びています。日常の不良姿勢や繰り返し動作、自分の筋力を上回るOVER USEやMALUSEにより、筋に圧痛のあるコリ(筋硬結・トリガーポイント)が形成されます。筋が短縮して伸張性が低下するため可動域制限が生じ、持続的に牽引された筋の起始と停止部(付着部)には疼痛や炎症を生じます。例えるなら、コリ本体が加害者で、牽引された付着部は被害者です。

    可動域制限は首や腰が曲げづらい、肩や股関節が回しづらい、しゃがめない等の訴えで表現され、多くは痛みを伴います。短縮した筋は出力低下も起こるため(筋の弱化)、あたかも神経性の筋力低下を疑わせますが、トリガーポイントに生理食塩水を注射するだけで筋出力と可動域が改善し、痛みが速やかに消失することも特徴です。

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