編: | 大井宏之(聖隷浜松病院手外科・マイクロサージャリーセンター長) |
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判型: | B5判 |
頁数: | 292頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2025年05月21日 |
ISBN: | 978-4-7849-0507-2 |
版数: | 初版 |
付録: | 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
・手外科手術ノートシリーズ「part2:代表的な骨折・外傷編」では,特に遭遇頻度の高い20の骨折・外傷を取り上げました。
・各疾患のエキスパートが,現在行っている治療法について丁寧に紹介。豊富な画像やイラストで解剖・手技に関する理解を深めながら,有力な治療法を習得し,選択肢を増やすことができます。
・part1と同様,手技をシーンで切り分けたコンパクトな動画も多く掲載。達人の技と工夫を動画で何度でも見直し,自分のペースで習得できます。
・本書でしか学ぶことのできない,エキスパート独自のアプローチが満載の1冊。手外科を学びたいと考えるすべての医師におすすめの一冊です。
序文
手外科の基本手技を解説した「手外科手術ノート Part1:基本手技スキルアップ編」が2024年11月に発刊され,このたびPart2を発刊する運びとなりました。Part 2では「代表的な骨折・外傷」をテーマとしています。骨折・外傷疾患は,若手医師が最初に担当する機会が多い分野です。本書では,その中でも特に遭遇頻度の高い疾患を厳選しました。
各疾患の執筆は,それぞれの治療を得意とする先生方に分担し,内容は執筆者の判断に委ねました。どの疾患についても,執筆者が現在行っている治療法を非常に丁寧に解説して下さっています。Part2を拝読し,まず感じたのは,執筆者ごとの個性がよく表れており,全体として非常に独自性のある仕上がりになっていることです。治療内容については,私が行っている方法とは異なるものや,同じ治療法であってもアプローチが異なるものも見受けられました。しかし,それらを否定するのではなく,執筆者それぞれの考え方を尊重しました。
各疾患の治療法は,現時点でのひとつの選択肢にすぎません。もし治療法が1つに固定されてしまえば,疾患治療の議論を行う学会の存在意義は失われてしまうでしょう。若手医師の皆さんには,まず1つの疾患に対して最低1つの治療法を習得して頂きたいと考えています。本書に掲載された治療法は,読者の皆さんが上級医師から指導を受けた方法とは異なるかもしれません。しかし,これらの治療法でも十分に良好な術後成績が得られているため,有力な選択肢のひとつと言えます。指導を受けた治療法との違いを意識しながら,理解を深めて頂ければ幸いです。
また,手外科に精通していない上級医師のもとで疾患に遭遇した際には,本書が治療法の確認や,現在の自分にその治療が可能かどうかを判断するための一助となることを願っています。
疾患の治療法は日々進化しており,将来的には改訂版を出版できることを期待しています。最後に,本書の執筆にご尽力頂いた先生方,そして出版に携わって下さったすべての方々に心より感謝申し上げます。
2025年4月
聖隷浜松病院手外科・マイクロサージャリーセンター長 大井宏之