捻挫とは,関節にひねりの力がかかることで生じる外傷の総称である。本稿では,頻度の高い足関節捻挫による外側靱帯損傷について述べる。足関節外側靱帯は主に前距腓靱帯(anterior talofibular ligament:ATFL),踵腓靱帯,後距腓靱帯で構成される。外側靱帯損傷は足関節捻挫の85%を占め,足関節の回外を強制されて受傷することが多い。日常生活において踏み外しや,繰り返しのジャンプ動作による着地の際に受傷することが多く,サッカー,バスケットボール,バレーボールなどのスポーツ活動中や,バレエダンサーなどの審美系アスリートにも多い。
足関節は皮下組織が少ないため,触診による圧痛点の確認が有効である。画像検査としては,前方引き出しや内がえしのストレス単純X線やMRI,超音波診断装置(エコー)などが施行される。エコーは急性期と陳旧性の症例に対して感度,特異度ともに90%近くあり,前方引き出しストレスをかけながらのエコーは特に有効である1)2)。一方で,骨折や距骨骨軟骨損傷などの合併損傷の診断目的にも単純X線やCT,MRIは有効である。
残り1,380文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する