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捻挫[私の治療]

No.5283 (2025年07月26日発行) P.44

黒川紘章 (奈良県立医科大学整形外科学教室)

登録日: 2025-07-25

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  • 捻挫とは,関節にひねりの力がかかることで生じる外傷の総称である。本稿では,頻度の高い足関節捻挫による外側靱帯損傷について述べる。足関節外側靱帯は主に前距腓靱帯(anterior talofibular ligament:ATFL),踵腓靱帯,後距腓靱帯で構成される。外側靱帯損傷は足関節捻挫の85%を占め,足関節の回外を強制されて受傷することが多い。日常生活において踏み外しや,繰り返しのジャンプ動作による着地の際に受傷することが多く,サッカー,バスケットボール,バレーボールなどのスポーツ活動中や,バレエダンサーなどの審美系アスリートにも多い。

    ▶診断のポイント

    足関節は皮下組織が少ないため,触診による圧痛点の確認が有効である。画像検査としては,前方引き出しや内がえしのストレス単純X線やMRI,超音波診断装置(エコー)などが施行される。エコーは急性期と陳旧性の症例に対して感度,特異度ともに90%近くあり,前方引き出しストレスをかけながらのエコーは特に有効である1)2)。一方で,骨折や距骨骨軟骨損傷などの合併損傷の診断目的にも単純X線やCT,MRIは有効である。

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