編著: | 西池修(釧路三慈会病院 副院長,内視鏡・人工関節センター センター長) |
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編著: | 桑沢綾乃(埼玉協同病院 整形外科 部長,関節治療センター 副センター長) |
判型: | B5判 |
頁数: | 304頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2025年09月19日 |
ISBN: | 978-4-7849-0210-1 |
版数: | 初版 |
付録: | 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
●人工関節置換術の最前線で活躍する整形外科医25名が集結。TKA・UKAに欠かせない知識・手術手技を図版を多用し、臨床にこだわってわかりやすく解説します。
●術後の痛みや違和感を生じさせないように、患者固有の膝関節面の傾斜・形状やインプラント・ロボットの特性を踏まえた各種調整の方法についても詳述。患者満足度の高い手術を実現します。
●主要インプラント・ロボット機種別に、各機種の特徴を踏まえた最新手術手技を惜しみなく開陳。
●本書の内容とリンクした、手術動画付き。手術見学さながらの内容で、第一線の術者による手術の見学や研修を疑似体験できます。
目次
1章 総 論
1 アライメント (栗山新一/松田秀一)
2 疼痛管理 (塚田幸行)
3 感染対策 (下条竜一)
4-1 動態解析 総論 (二木康夫)
4-2 機種:cruciate retaining(CR)型 (堀内博志)
4-3 機種:posterior stabilized(PS)型 (中川 滋)
4-4 機種:medial pivot(cruciate substituting)型 (畑山和久)
5 手術支援ロボット 総論 (桑沢綾乃)
2章 TKA
1 Triathlon®における手術手技 (岡島良明)
2 Persona®(ground kinematically aligned TKA)(松本知之)
3 JOURNEY Ⅱ(bi-cruciate ligament stabilized TKA)(龍 啓之助)
4 ATTUNE (毛利正玄)
5 EVOLUTION®(Medial Pivot TKA)(佐藤 卓)
3章 UKA
1-1 Oxford® Partial Knee (乾 洋)
1-2 Persona® Partial Knee (朝田滋貴/山岸孝太郎)
2 JOURNEY Ⅱ UK (飯田 剛)
4章 ロボット手術
1-1 Mako® Total Knee(TKAへの使用) (水島正樹)
1-2 Mako®(PKA〈UKA〉への使用) (石田一成/柴沼 均)
2 ROSA®(TKAへの使用) (箕田行秀)
3-1 CORI Surgical System(TKAへの使用)(浜田大輔)
3-2 CORI Surgical System(BCR型TKAへの使用) (西池 修)
3-3 CORI Surgical System(UKAへの使用) (桑沢綾乃)
4 VELYSで行うTKAの実際 (鈴鹿智章)
巻末資料 インプラント・ロボットの資料一覧
索 引
序文
“臨床の第一線で働き, 経験豊富な先生だからこそのTKA/UKAの教科書を作りませんか?”
出版社からそんなお声かけを頂き,正直驚いたのが1年以上前のことです。
いろいろな教科書がある中で,新たに皆さんの役に立つ教科書が作れるだろうか…とさんざん思い悩みました。歴史や理論などの学術的な教科書は既に良い教科書がある,臨床現場の生の声を拾いあげるような,超実践的な手術手技の教科書なら面白いかも? そう考えて,大学の垣根もなく多くを学ばせて頂いた親交ある西池先生に相談しました。
第一線で活躍されている先生方のお考えや手術手技は,手術見学やカダバートレーニング研修などを利用すれば実際に見る機会がないわけではありません。ですが,その機会は全員が得られるものではなく,機会があっても,若手の立場ではアウェーとも言える外の環境で,指導して下さる先生に率先して多くの質問をする勇気は誰もが持ち合わせているわけではありません。私も若い頃は,当時どこに行っても紅一点の下っ端,多くを吸収し学びたいと人一倍思っていましたが,ご高名な先生方を前にどう質問すべきか悩み,途方に暮れた経験があります。行くチャンスもなかなかない,行けたとしても消化不良。そんな若い先生方を減らすには,手始めとして,自宅で実際の手術見学や研修を疑似体験できるような教科書を作ろう! 相談しているうちに,構想は流れるようにまとまっていきました。
総論編では,臨床の実践に欠かせない知識を深めるべく,その分野の第一人者の先生方にご執筆をお願いしよう。実践編では,わが国で使用されている主要なインプラントや今後発展していくロボット支援手術の手術手技に焦点を当て,その手技に最も長け,各インプラントメーカーからも手術指導に信頼を得ている第一人者の先生方に集まって頂こう。そして,そのようなすごい先生方に,執筆に加え手術動画撮影もお願いして,何度でもじっくり見られるように動画の二次元コードも付けよう。このように臨床の実践にとことん特化した手術手技の教科書の構想は,今までの教科書にはないものです。
西池先生に多く助けて頂き,本当に今,それぞれの分野でそれを語らせたら右に出る者はいない!というすごい先生方に集結して頂くことが叶いました。どの先生も臨床現場に強いこだわりと信念を持った私の尊敬する先生方です。どうぞ,この本をきっかけに多くを吸収して頂けたらと思います。執筆者一覧ではすべての先生にお顔出しもお願いしました。これを機に,先生方に親近感を覚えアプローチして頂ければと思います。どの先生も気さくで,臨床について話しだしたら止まらないマニアぞろい(笑)。学会などで声をかけてみてもよいですし,さらに質問をするため,実際に手術見学に行かれるのも“あり”です! 本当にどの先生もここぞとばかりに喜んで教えて下さると思います。
最後になりましたが,ご執筆頂いた先生方,お忙しい中ご尽力頂き本当に,本当にありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。そして微力ながら,この教科書が多くの先生の臨床を助け,出会いや交流の架け橋となれば幸いです。
2025年8月吉日
西池 修
釧路三慈会病院 副院長,
内視鏡・人工関節センター センター長
桑沢綾乃(序文執筆)
埼玉協同病院 整形外科 部長,
関節治療センター 副センター長