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骨・関節疾患フォローアップの落とし穴と再確認ポイント[骨折ファーストタッチ ─decision makingのための骨折の考え方─(45)]

No.5263 (2025年03月08日発行) P.32

海透優太 (JCHO若狭高浜病院整形外科医長/臨床研修センター長)

登録日: 2025-03-10

最終更新日: 2025-03-05

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再骨折リスクと生活指導の要点

▶開業医やプライマリ・ケアの現場では,骨折や変形性関節症などの診断・治療だけでなく,患者のフォローアップを継続的に担う機会が多くあります。しかし,そのフォローアップの中で起こりうる「見落とし」や「つまずき」は意外に多いものです。今回では,骨・関節疾患のフォローアップにおける落とし穴や,再骨折リスク・再発予防を含む生活指導のポイントを再確認し,実臨床で活かせる具体的な視点をまとめます。

再骨折リスクを見逃さない

▶骨折の治療後,「痛みが落ちつき,骨もくっついたから大丈夫」と考え,十分な生活指導や骨密度管理を行わないまま経過観察だけになっているケースはありませんか。特に橈骨遠位端骨折や椎体骨折などの既往がある患者は,骨粗鬆症による再骨折リスクが高く,適切な二次骨折予防が重要です。

▶骨粗鬆症治療薬の内服や注射製剤を継続している患者でも,生活習慣や併存疾患の有無によって効果が左右されることがあります。たとえばステロイド内服中の患者や,糖尿病,慢性腎臓病などを抱える患者では,骨粗鬆症管理が難しくなるケースも多いです。こうしたリスクをふまえ,定期的に骨密度検査や血液検査を行いながら治療効果を見きわめると同時に,患者の日常生活動作(ADL)や食生活,運動量を把握し,適宜アドバイスを続ける必要があります。

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公立小浜温泉病院

勤務形態: 常勤
募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・整形外科 各1名
勤務地: 長崎県雲仙市

公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

当病院は島原半島の二次救急医療体制の救急告示病院として救急患者を受け入れています。
又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。

●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
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