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手外科におけるorthoplastic surgeryの定義と現況について

No.5198 (2023年12月09日発行) P.51

齊藤 晋 (京都大学大学院医学研究科形成外科学)

鳥谷部荘八 (仙台医療センター形成外科手外科診療科長東北ハンドサージャリーセンター代表)

登録日: 2023-12-06

最終更新日: 2023-12-05

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  • 手外科におけるorthoplastic surgeryの定義と現況についてご教示下さい。
    仙台医療センター・鳥谷部荘八先生にご解説をお願いいたします。

    【質問者】齊藤 晋 京都大学大学院医学研究科形成外科学


    【回答】

    【整形外科と形成外科,両者の治療概念を組み合わせた手外科は,まさにorthoplastic surgeryそのものである】

    orthoplastic surgery(正確にはorthoplastic approach)を提唱したScott Levinは,「重度四肢外傷」における整形外科と形成外科双方のアプローチの必要性とreconstructive ladderの概念を論じています1)

    重度四肢外傷においては,デブリドマン,一時的骨安定化(通常は創外固定),神経・血管の修復,確定的骨接合,必要に応じた創の閉鎖(植皮,有茎皮弁,遊離皮弁)を感染に至る前に完遂させ,救肢し,社会復帰へとつなげることがゆるぎない原則です。骨・関節の再建と皮膚軟部組織再建を両輪として,同じく高いレベルで治療ができることが治療者として求められ,形成外科的な素養が重要な鍵となっています。元来のorthoplastic approachは,整形外科医の立場から形成外科的な知識と技術の重要性について説いたものでした。

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