お知らせ
足関節果部骨折における脛腓靱帯・三角靱帯損傷の診断と治療について
足関節果部骨折では脛腓靱帯や三角靱帯損傷を伴う症例があり，その治療の選択に迷うことがあります。そこで足関節果部骨折に伴った脛腓靱帯や三角靱帯損傷の評価法と治療法の選択について，そのポイントをご教示下さい。
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院・原口直樹先生にご解説をお願いいたします。
【質問者】嶋 洋明 大阪医科薬科大学整形外科講師
【回答】
【脛腓骨靱帯結合の固定の要否は，腓骨骨折の高さと内側の損傷形態から判断する】
（1）脛腓骨靱帯結合損傷の診断と治療
AO／OTA分類のtype BおよびCでは，ほとんどの場合で脛腓骨靱帯結合は損傷しています。AO／OTA type Bおよび低位のtype C（腓骨の骨折が関節面から4.5cmより遠位のもの）では骨間膜は原則として断裂していないか，断裂していたとしても遠位に限定しているため，骨折を固定すれば足関節は安定します。脛腓骨靱帯結合の不安定性を評価するためにいくつかの術中ストレス試験が考案されていますが，与えるストレスの定量化はほとんどなされておらず，また何をもって陽性（臨床的に問題となる不安定性がある）とするかはいまだに明らかではないことから，臨床的意義は少ないです。
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