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腰が痛くて動けないんです……①[脊椎圧迫骨折][骨折ファーストタッチ ─decision makingのための骨折の考え方─(1)]

No.5163 (2023年04月08日発行) P.32

海透優太 (JCHO若狭高浜病院整形外科医長/臨床研修センター長)

登録日: 2023-04-07

最終更新日: 2023-04-06

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鑑別診断

▶まず,高齢者の転倒による腰痛の鑑別には,脊椎圧迫骨折が第一に挙げられます。

▶脊椎圧迫骨折は,80歳代の有病率が40%以上で,加齢とともに発生率が上昇する疾患であり,脊椎圧迫骨折の一択と言っても過言ではありません。

▶脊椎破裂骨折も鑑別のひとつに挙がります。受傷機転として,圧迫骨折は低エネルギー外傷であるのに対し破裂骨折は高エネルギー外傷とされていますが,高齢者で目撃のない転倒の場合には,比較的エネルギーの高い外傷も考慮したほうがよいと思われます。

▶また,臀部が痛いことも「腰が痛い」と言われる場合があるので,尻餅をついて動けないという主訴なら,大腿骨近位部骨折や脆弱性骨盤骨折も鑑別に挙げておくべきでしょう。

鑑別疾患:「高齢者の転倒後腰痛・臀部痛で動けない」⇒脊椎圧迫骨折,脊椎破裂骨折,大腿骨近位部骨折,脆弱性骨盤骨折(恥坐骨骨折・仙骨骨折)

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公立小浜温泉病院

勤務形態: 常勤
募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・整形外科 各1名
勤務地: 長崎県雲仙市

公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

当病院は島原半島の二次救急医療体制の救急告示病院として救急患者を受け入れています。
又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。

●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問診療、訪問看護、訪問介護体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

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