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整形外科領域における多血小板血漿(PRP)療法

No.5033 (2020年10月10日発行) P.49

大原敏之  (東京医科歯科大学スポーツ医歯学 診療センター)

登録日: 2020-10-08

最終更新日: 2020-10-06

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 【競技スポーツにおける使用と潜在する問題点】

血液中に含まれる血小板には,組織修復を促す成長因子を出す働きがある。多血小板血漿(platelet-rich plasma:PRP)とは,患者自身の血液から作製される血小板を多量に含有する血漿のことであり,創傷治癒など再生医療や,美容療法における自己由来の生体材料として,組織修復を促進する目的に使用されている。特に整形外科領域では,変形性膝関節症や関節炎等に対してPRPが使用されており,中でも腱炎や肉離れなど,スポーツ外傷やスポーツ障害後の組織内に局所投与されることで有益な結果を示すことを,多くの研究が明らかにしてきた1)

競技スポーツにおけるPRPは,2011年よりWorld Anti-Doping Agencyで,パフォーマンス向上や同化作用を示すエビデンスがないことから許可されている。しかし,近年PRPが創傷治癒や骨格筋形成,筋幹細胞機能および組織再生に,蛋白質の合成や分解,血管新生,エネルギー利用などを調節する可能性まで広く示す研究が散見されるようになってきた2)

スポーツに関わる医師は,PRP療法が今後競技スポーツにおけるドーピング等に該当する可能性も指摘されつつあることに留意しておくことが必要である。

【文献】

1) Sánchez M, et al:Sports Med. 2009;39(5):345-54.

2) Scully D, et al:Int J Sports Med. 2019;40(7): 427-33.

【解説】

大原敏之 東京医科歯科大学スポーツ医歯学 診療センター

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