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jmedmook73 あなたも名医!真剣勝負!エコー侍の技の数々 運動器エコー 痛みの臨床【電子版付】

今日取れなかった痛みが明日取れるようになる!

定価:3,850円
(本体3,500円+税)

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編著: 斉藤 究(さいとう整形外科リウマチ科)
判型: B5判
頁数: 172頁
装丁: カラー
発行日: 2021年04月25日
ISBN: 978-4-7849-6673-8
付録: 無料の電子版(HTML版)が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます)

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◆運動器エコー道をストイックに探究する“エコー侍”たちが、日頃実践している痛み診療の技と工夫を存分に披露!臨床現場で実証されてきたエキスパートオピニオンの積み重ねが収録されています。
◆肩・腰・膝を中心に部位別で取り上げ、豊富な解剖図・症例画像とともに診療のコツから実践で必要な知識まで丁寧に解説。
◆従来の整形外科の教科書には記載されていない、ベッドサイドで使える運動器エコーならではの新しい痛み診療を学ぶことができます。運動器の痛み患者に向き合うすべての医師に役立つ1冊です。

本書は、Webコンテンツ(PDF版+HTML版)としても別途ご購入いただけます


診療科: 整形外科 整形外科
シリーズ: jmedmook

目次

1章 総論
1 筋膜性疼痛症候群(MPS)とは
2
 発痛源の探し方
3
 問診で痛みを深掘りする
4
 疼痛誘発動作の確認とone finger test
5
 レッドフラッグの除外―画像診断を含めて
6
 姿勢と動作の評価―軟部組織の影響を考える
7
 関節可動域のチェック―罹患筋を推測する
8
 詳細に解剖学を理解した触診―sono-palpation
9
 エコーによる治療アプローチ,薬物療法と生活習慣改善
10
 超音波ガイド下インターベンション(注射)の実際と工夫
2
章 各論
1
 頭頚部(肩こり含む)
2
 肩関節
3
 腰臀部
4
 膝
5
 スポーツ障害
6
 手指・足趾のしびれの臨床


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序文

巻頭言

近年,運動器エコー診療の発展が目覚ましい。
運動器に特化したエコー機器の進化によって視認性が向上し,MRI以上の分解能で鮮明に描出される画像により,筋肉,神経,血管も想像を働かせることなく,目で見ればすぐに認識できるようになった。指の末梢神経まで描出し,ハイドロリリースを行うことで指先のしびれを取ることもできるようになった。機器の進歩に並行して,皆川洋至先生・高橋 周先生・朴 基彦先生を筆頭としたエコー黎明期を切り開いた先達の努力の結果,エコー道を歩む後輩たちがたくさん育ち,現在は多くの書籍やセミナーだけでなく,DVDSNSを通じて学ぶ機会が増えたことで運動器エコー診療は進化を続けている。
今,研修医となる医師たちにとって運動器エコーのある医療現場は,生まれながらにしてスマートフォンがある世の中にいるようなものである。彼らはエコーで見える世界から得た新しいアイデアで,先人たちの積み上げた医学の歴史を踏み台として常識を覆し,次々と患者の痛みを取る方法を編み出す。
かくいう私も20年以上前の学生時代にエコーに魅せられた1人であった。内科研修医時代に「エコーは第二の聴診器である」と教わり,心エコー・腹部エコーを学んだ。ベッドサイドで病態にせまることのできるエコーにワクワクした。救命救急レジデントとして迅速超音波検査(focused assessment with sonography for traumaFAST)を学び,胸腔内,腹腔内の出血をいち早く発見することを学んだ。以後,整形外科外傷医として多発外傷診療,骨盤手術にも従事し,その傍らリウマチ専門医として関節エコーを学んだ。10年前に開業してからは運動器エコー診療を毎日のように行い,昨日取れなかった痛みが今日は取れるようになっていく自分に今もワクワクしながら仕事ができている。
エコーが発達した現在でも難治性の痛みに悩む患者は後を絶たない。例えば…
・整形外科やペインクリニックなどに受診し,X線・MRIで異常がないと言われ,ロキソニンで経過観察されても痛みが取れない患者
・腰痛と下肢痛を訴え,ヘルニアの診断のもと手術まで受けたが痛みが取れない患者
・体のあちこちの痛みを訴えたら線維筋痛症と診断され,様々な薬剤をかわるがわる投与されたが痛みが取れない患者…などである。
私自身,理学療法を理解し,解剖の知識を深め,触診技術を高め,運動器エコーを用いることで,それらの痛みが取れるようになってきた。
運動器エコーを痛み診療に用いる利点は,一言では言い切れない。目で見てすぐに病態がわかる,ドップラーを当てれば炎症があるのかないのかわかる,腫脹,水腫,腫瘍の鑑別ができる,血管が見える,血栓が見える,筋肉の動きが見える,動きの悪いところがわかる,圧痛点が視認できる,神経が見える,などそれらテクニックを複合的に用いながら,身体所見と照らし合わせて診断を進める。1人ひとりの患者が訴える痛みとの真剣勝負である。
運動器エコー道をストイックに探究する者たちはいつしか“エコー侍”と呼ばれるようになった。そして今,奇しくもコロナ流行の裏側で,エコー侍たちは毎夜毎夜オンライン上でエコーセミナーを企画し,お互いの知見を共有して切磋琢磨し合っている。
今回の企画では,現在私がともに刃を交えている“エコー侍” たちをフィーチャーして,プライマリケアの先生たちが出会うことの多い肩こり,膝,腰の痛みを中心に,運動器エコーを用いた痛み診療についてその技を披露して頂いた。
肩こりを含む頭頚部の痛みはスポーツ難治性疼痛外来でも活躍するペインクリニシャン寺田 哲先生に,肩関節の痛みはFacebookで「運動器エコー相談部屋」を主催し,株式会社encounterという会社を立ち上げセミナー教育事業も手掛ける肩専門医の岩本 航先生に,腰殿部の痛みはエコー解剖教育を早くから行い,オンラインコンテンツやセミナーを多数配信しているペインクリニシャン石田 岳先生に,膝の痛みは「運動器エコー相談部屋」に100を超えるエコー解剖コンテンツを投稿している元祖“エコー侍”谷掛洋平先生に,上手な膝関節穿刺と肉離れについてはそれぞれの項目で英語論文を執筆されている和田 誠先生に執筆をお願いした。いずれも従来の整形外科の教科書には記載されていない,ベッドサイドで使える運動器エコーならではの新しい痛み診療が垣間見えるものと思われる。
この本を手に取られた先生が,1人でも多くの痛みに悩む患者を救ってくれることを願っています。
このたび執筆の機会を頂いた日本医事新報社の皆さん,分担執筆をご快諾頂いた“エコー侍”たちに深く感謝いたします。


2021
3
さいとう整形外科リウマチ科 斉藤 究

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