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脊椎圧迫骨折の患者の担当医になりました[骨折ファーストタッチ ─decision makingのための骨折の考え方─(44)]

No.5261 (2025年02月22日発行) P.36

海透優太 (JCHO若狭高浜病院整形外科医長/臨床研修センター長)

登録日: 2025-02-21

最終更新日: 2025-02-19

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STEP1 初期評価と全身状態把握

圧迫骨折の重症度の把握:画像検査で,破裂骨折の有無を確認しましょう。X線もしくはCTで後壁の破綻があるものは不安定性が高い破裂骨折と判断し,整形外科医に相談するとよいでしょう。

神経症状の確認:しびれ,麻痺,排尿排便障害がある場合は,整形外科医に早急に相談しましょう。

既往歴と慢性疾患の確認:骨粗鬆症の既往や治療歴も重要ですが,今回の転倒に影響した可能性がある薬剤調整も重要です。特に不眠症や不安症に対して処方されているベンゾジアゼピン系薬剤,乾皮症などの瘙痒感に処方されている抗ヒスタミン薬,パーキンソニズムを誘発する薬剤,症状緩和が不十分なパーキンソン症状など慢性疾患に対して行われている治療が転倒のリスクになっていないかも検討しましょう。前医と患者が,善意と努力でもたらした成果を尊重しながら薬剤のメリットが引き続き最善であるかを確認することが,後医としての大切な役割であると考えます。

多職種への気づきの提供と介入の依頼:栄養状態,ADL,介護の状況,内服管理(アドヒアランス),家族サポート体制など,調整が必要とは感じながら自分一人ではマネジメントしきれないという限界を感じることも重要なステップです。ともに働く仲間たちはそれぞれの領域のプロフェッショナルなので,積極的に気づきを共有して介入をお願いする姿勢が大切だと思っています。

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