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頸椎人工椎間板置換術について

No.4942 (2019年01月12日発行) P.60

山崎正志 (筑波大学医学医療系整形外科教授)

大川 淳 (東京医科歯科大学整形外科学教授)

登録日: 2019-01-09

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  • 2018年から,わが国において頸椎人工椎間板置換術の臨床使用が始まりました。頸椎人工椎間板置換術の特徴,対象疾患,および適正使用基準についてご教示下さい。東京医科歯科大学・大川 淳先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    山崎正志 筑波大学医学医療系整形外科教授


    【回答】

    【1~2椎間の頸椎前方手術に対して積極的に適応されることが期待されている】

    頸椎椎間板ヘルニアや頸椎症に伴う神経障害(脊髄症,神経根症)に対して,わが国では主に前方除圧固定術が行われてきました。前方除圧固定術は罹患椎間での神経圧迫因子を取り除き,障害部位の動きを止めることで神経症状の改善効果を期待しています。一方で,椎間本来の可動性を犠牲にするために,固定隣接部への負荷が増大し,変性が加速されます。結果的に隣接椎間に障害が発生し,ヘルニアが脱出したり骨棘が形成されて症状の再発を見ることがあります。それに対し,人工椎間板置換術は,神経組織への圧迫を取り除く操作を従来どおりに行った後に,可動性を有するインプラントを設置する手術手技です。固定はせずに椎間の可動性を保持することによって,隣接部での障害の発生を防ぐ目的で開発されました。

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