株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

脊椎・関節疾患に対するロボットリハビリテーションの現状

No.4932 (2018年11月03日発行) P.56

新井貞男 (あらい整形外科医院院長)

山崎正志 (筑波大学医学医療系整形外科教授)

登録日: 2018-10-31

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 脊椎・関節疾患に対するロボットリハビリテーションの現状についてご教示下さい。筑波大学/日本整形外科学会・山崎正志先生にお願いします。

    【質問者】

    新井貞男 あらい整形外科医院院長

    【装着型リハビリテーション支援ロボットHAL®の臨床研究が進んでいる】

    脊椎・関節疾患に対する治療として,近年,ロボット技術を用いたリハビリテーションが広まりつつあります。医療や介護分野で用いられるロボットは,大きく2種類に大別されます。病院や医療施設内で用いられるリハビリテーション支援ロボット,家庭や日常生活場面で用いられる生活支援ロボットです。リハビリテーション支援ロボットは,上肢障害に対するものと下肢障害に対するものがあり,使用されるロボットの種類は年々増え,対象疾患や使用方法,特徴がそれぞれ異なります。本稿では筑波大学で開発され,筆者らが臨床研究を進めているHybrid Assistive Limb®(HAL®)について述べます。

    HAL®は装着型のリハビリテーション支援ロボットです。装着者の皮膚表面に生じる生体電位信号や各種センサー(関節角度・足圧)からの情報に応じて,関節部に設置されたパワーユニットが関節の動きを補助することで動作の支援を行います。現在利用可能なHAL®は,①両脚用,②単脚用,③単関節タイプ,④腰タイプに大別されます。「両脚用」は,両下肢・四肢不全麻痺,神経疾患による両下肢筋力低下のある患者に用いられます。「単脚用」は,主に脳卒中後の片麻痺に用いられます。「単関節タイプ」は,膝関節と肘関節への使用が多く,人工関節置換術などの膝関節手術後や,上肢機能障害患者の肘関節機能訓練に使用されます。「腰タイプ」は,股関節屈曲位からの伸展動作をアシストする機能があり,各種作業における腰部負担軽減を目的として用いられます。

    残り494文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top