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【書評】消化管EUSパーフェクトガイド

No.4901 (2018年03月31日発行) P.67

安田健治朗 (京都第二赤十字病院消化器内科部長)

登録日: 2018-03-27

最終更新日: 2018-03-27

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EUS(内視鏡的超音波断層法)は小膵癌の診断を目的に開発された経緯はあるが、消化管壁が層構造を示して観察されることから消化管病変へも応用され、粘膜下腫瘍の局在、性状診断や癌進展度診断に活用されてきた。最近では膵胆道病変のEUS診断や、EUS-FNAに注目が集まることが多いが、消化管病変に対してもEUSが活躍できることは誰もが認めるところである。にもかかわらず、今までまとまった成書がなかったのも事実である。こういう時に、あるいは、こういう時だからこそ、消化管EUSに光を当て、1冊で消化管EUSのすべてを理解できる本書を編集された藤城光弘先生の慧眼に敬意を表したい。

この本書を勧める第一の理由は、藤城先生が序に書かれている言葉である。「“私の役割はご協力頂ける先生方をつなぐこと”としてお受けした」。この一言で後は見なくても成功した本であると断言できる。

第二の理由は、超音波の原理に始まり、機器の解説、走査法、FNAの実際、解剖の総論から、各論における症例の提示、解説まで整然とした流れで見事にまとめられていることだ。前半のEUSに関する解説から後半の症例アトラスまで、1冊で2冊分の内容をまとめた本書はお得と言えよう。

第三の理由は、アトラスとして、写真が大きく綺麗であることはベースラインと思っている。この基準線も容易にクリアしている。

熟読にも適し、アトラスにも使えることから、ぜひ、本棚ではなく臨床の手元に置いて活用されることをお勧めする。

最後に一言。藤城先生は東京大学医学部附属病院消化器内科准教授、光学医療診療部部長で消化器内視鏡診療ではわが国の第一人者のおひとりである。非常にスマートであるのみならず、その人となりから消化器内視鏡医の間にファンが多い。忙しすぎるためか、EUSに対しては、少し遠慮して編集者に徹したと書かれているが、次は表に出て総論の執筆でも担って頂きたい。

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