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【書評】jmedmook94『喘息・COPDポイント解説』ガイドラインに準拠した情報がコンパクトに整理された実用書

No.5266 (2025年03月29日発行) P.62

福永興壱 (慶應義塾大学医学部内科学(呼吸器)教授)

登録日: 2025-04-01

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本書は,喘息およびCOPDの診療における重要なポイントを簡潔に整理し,臨床の現場で手軽に参照できるよう工夫された一冊です。本書は,現在わが国で用いられている喘息・COPDのガイドラインなどに基づき,診療に必要な知識が要点ごとにわかりやすくまとめられており,多忙な医師や医療従事者にとって実用的な参考書となっています。 

最大の特徴は,診療現場で即座に活用できるよう配慮された構成です。各章では喘息やCOPDに関連する診療の基本事項が体系的に整理され,ポイントが箇条書きや図などで示されています。これにより,具体的な診療の流れや留意点を素早く確認することができます。特に,初学者や若手医師が基本を効率的に学ぶためのガイドとして活用するのに適していると思います。

また,内容の多くが既存のガイドラインをベースにしているため,臨床での即時的な参照に適しています。ガイドラインに準拠した情報がコンパクトに整理されており,現場での診療を支える「手引き」として役に立つと思います。

一方で,シンプルかつ要点を絞った構成は,専門的な議論やより深い学びを進めたい読者にとっては,併せて他の専門書や最新の研究成果を参照することで理解がさらに深まると思います。

多忙な臨床現場で働く医師や医療従事者の診療の手助けとなる一冊です。著者が本書に込めた臨床支援への思いと努力に敬意を表するとともに,本書が多くの読者に役立つことを願っています。

“今日の診療”において一歩ステップアップ!
喘息とCOPDの病態・検査や治療について,押さえておきたいポイントやTipsを見出しに据えて,実臨床にすぐに利用できるかたちにしました。
症例提示部分では,実臨床で活躍する長尾大志先生,倉原優先生,中島 啓先生を執筆陣に迎え,現場のポイントを解説しています。編著者の田中先生と,各執筆者とのQ&Aは必見です。
一般内科,ジェネラリストの先生方にもおすすめです!
執筆者の先生方のブログでも取り上げて頂きました。

長尾大志先生: http://tnagao.sblo.jp/article/191105767.html
倉原 優先生: https://pulmonary.exblog.jp/33225747/

(編集部)

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公益社団法人 地域医療振興協会 市立大村市民病院

勤務形態: 常勤
募集科目: 総合内科・消化器内科・呼吸器内科・神経内科・整形外科 等 若干名
勤務地: 長崎県大村市

急性期から回復期、維持期までの疾患の治療・管理はもとより、予防医学としての健診事業にも力を注いでいます。
ハイケアユニットから地域包括ケア・回復期リハ病棟まで有しており、地域の皆様に対して急性期から回復期まで切れ目のない医療、充実したリハビリサービスを提供できる体制が整っております。
基幹型臨床研修指定病院として医師の教育にも寄与しています。当協会のコンセプトの1つである離島医療の支援も積極的に行っています。

救急医療体制については、1次から3次まで幅広く患者さんを受け入れています。
特に3次救急患者さんに関しましては、症状に応じて長崎医療センター及び救急隊と連携をとりながら、必要に応じた救急対応を行っています。また、2次までの救急患者さんに関しては、専門医と総合医が協力し対応しています。
救急医療についても二次救急を担っています。緊急の大血管手術やバイパス手術も行っており、長崎県内外から高い評価を受けています。
なお、日当直体制では、内科・外科系及び循環器系で 救急体制を整えています。
現在、内科・外科系の日当直体制は、内科医師が火曜日・木曜日・土曜日 の当直帯及び土曜日・日曜日の日直帯、外科系医師が月曜日・水曜日・金曜日・日曜日の当直帯に救急対応を行っています。
また、大村市夜間初期診療事業(内科系・小児科)に参画しています。
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