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【他科への手紙】循環器内科→整形外科

No.4845 (2017年03月04日発行) P.55

柴山謙太郎 (東京ベイ・浦安市川医療センター循環器内科医長)

登録日: 2017-03-03

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  • 整形外科の先生方には、平素より大変お世話になっております。貴科には多くの高齢の患者が受診されるかと思いますが、中でも心疾患を有している患者に対して手術を施行する際にはお困りになることが多いのではないでしょうか。

    最近、先生方とのディスカッションで多く話題になるのは、転倒などによる骨折で入院し、早期に手術を検討している患者に大動脈弁狭窄症(aortic stenosis:AS)を認めた場合の対応についてです。ASの症状としては胸痛・失神・心不全がよく挙げられますが、高齢者はもともと活動性が低く症状が不明瞭なため、受傷後の精査で初めてASと診断される症例も多いと考えます。過去の文献では、臀部骨折で入院した患者の1割弱に中等度以上のASを認めたと報告されています1)

    しかし、術前の心エコー図検査でASを認めたとしても、全例で手術を延期すべきというわけではありません。もちろん、症候性重度AS患者に対する手術では、術中に心停止に至るリスクがあり、周術期および術後30日死亡率も高いことが知られています。一方で、最近の研究では、中等度以下のAS患者や低心機能・肺高血圧のない無症候性重度AS患者であれば術後成績に有意差はないとされ、2014年に改訂されたESCの周術期ガイドラインでも、リスクの少ない非心臓手術であれば、無症候性AS患者への施行は問題ないとして、ClassⅡaに分類されています2)

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