株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

CSLベーリング:月1回投与のHAE治療薬「アナエブリ」発売でセミナー[新薬開発・販売 FRONTLINE]

No.5277 (2025年06月14日発行) P.68

登録日: 2025-06-12

最終更新日: 2025-06-11

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

CSLベーリングは5月15日にメディア向けセミナーを開催。4月に発売した「アナエブリ」(一般名:ガラダシマブ)の適応である遺伝性血管性浮腫(HAE)について、薬師寺慈恵病院院長の薬師寺泰匡氏が講演し、「新薬の発売でHAEの治療選択肢がさらに広がった。患者さんのライフスタイルに合わせた発作予防が可能になっているので、疑わしい症状の方には積極的に検査してほしい」と強調した。

アナエブリはHAE発現の主要開始因子である活性化第XII因子を阻害するファースト・イン・クラスのモノクローナル抗体製剤で、発作の発症抑制を目的にプレフィルドペンによる月1回の皮下投与が可能。HAEの長期発作抑制薬として、同社の「ベリナート」、オーファンパシフィックの「オラデオ」、武田薬品工業の「タクザイロ」に続き、国内4剤目となる。

薬師寺氏はHAE治療の課題として、疾患の認知度が低く未診断の患者が多いことなどを挙げ、「咽頭発作が起きると死亡率が高く、未診断のまま生活するのは非常にリスクが高い。繰り返す皮膚や粘膜の浮腫・腹痛があれば、HAEの可能性を検討してほしい」と述べた。

セミナーで講演した薬師寺氏

会見には患者会であるNPO法人HAEJ理事長の松山真樹子氏も登壇し、患者家族の視点からHAEを取り巻く課題について解説。患者会で相談されることが多い話題は医師とのコミュニケーションについての悩みであり、「病気そのものよりも、病気への対応に困難さを感じている」と述べ、「先生方には、発作や浮腫症状だけでなく患者のQOLにも関心を持っていただきたい」と訴えた。

遺伝性血管性浮腫国際患者団体(HAEi)は毎年516日を「HAE DAY」に定め、疾患の認知向上を目的に、世界各地でランドマークのライトアップや啓発イベントを実施している。

記者からの質問に答える松山氏。この日はHAEカラーである紫をドレスコードとしていた。

「アナエブリ」の効能・効果/用法・用量
【効能・効果】遺伝性血管性浮腫(HAE)の急性発作の発症抑制
【用法・用量】成人及び12歳以上の小児には、初回に400mg、以降は200mgを月1回皮下投与

【関連情報】
NPO法人HAEJ 遺伝性血管性浮腫 患者会 公式サイト

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

公立小浜温泉病院

勤務形態: 常勤
募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・整形外科 各1名
勤務地: 長崎県雲仙市

公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

当病院は島原半島の二次救急医療体制の救急告示病院として救急患者を受け入れています。
又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。

●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問診療、訪問看護、訪問介護体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top