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急性心膜炎[私の治療]

No.5272 (2025年05月10日発行) P.33

尾上健児 (奈良県立医科大学循環器内科学講師)

登録日: 2025-05-13

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  • 感染症や自己免疫疾患により生じる心膜(心外膜)の炎症およびそれに伴う諸症状。明らかな原因がない特発性の場合も多い。胸痛患者の約1~5%を占め,16~65歳の男性で発症頻度が高いとされる。
    主にウイルスや結核などの感染症,膠原病などの免疫疾患,転移性腫瘍,心筋梗塞や心臓手術などが原因となる。

    ▶診断のポイント

    典型的には前胸部の突然の鋭い疼痛として発症する。ウイルス性が最多の原因であり,良好な経過をたどることが多い。

    約30%の症例に心膜摩擦音を聴取する。心電図では約60%に広範囲(通常aVrを除くすべて)の誘導でST上昇が認められる。心エコーでは約60%の症例に心囊液貯留が認められる。血液検査では白血球や赤血球沈降速度(ESR)およびCRPの軽度上昇が認められ,病勢や治療効果の指標となる。炎症が心筋へ波及するとCKやトロポニンなど心筋傷害マーカーが上昇する。またCTやMRIで心膜の炎症所見が認められることがある1)

    WEBコンテンツ「ちゃんと知りたい 感染性心内膜炎」

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