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変形性足関節症に対する治療法の選択について

No.5177 (2023年07月15日発行) P.57

中佐智幸 (広島大学病院整形外科講師)

神崎至幸 (神戸大学医学部整形外科)

登録日: 2023-07-18

最終更新日: 2023-07-12

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  • 変形性足関節症は,病期に応じて様々な治療が行われます。同じ病期でも,複数の治療選択があり,実際にどのような治療を行うべきか迷うことがあります。治療法の選択におけるポイントをお示し下さい。
    神戸大学・神崎至幸先生にご解説をお願いします。

    【質問者】中佐智幸 広島大学病院整形外科講師


    【回答】

    【保存療法が無効な場合は,病期と患者のニーズに合わせた手術療法を行う】

    変形性足関節症の治療を語る前に,まずは病期分類である高倉・田中分類1)2)について簡単に説明します。これは足関節荷重位の単純X線での評価であり,1期:骨硬化や骨棘は存在するが,関節裂隙の狭小化は認めない,2期:関節裂隙の狭小が認められるが,軟骨下骨組織の接触は認めない,3a期:軟骨下骨の接触が内果関節部のみに認められる,3b期:軟骨下骨組織の接触が天蓋部にも一部及んでいる,4期:全体に関節裂隙が狭小化して軟骨部が消失し,骨組織同士の接触がある,となっています。

    どの病期でもまずは保存療法を行うことが多いですが,NSAIDsや外用薬,リハビリ以外に外側ウェッジ付きのアーチサポートが3b期の一部までは有効です。アーチサポートの効かない3b期や4期にはブレースなどで足関節の動きを制動します。また,一般的に病期が初期であるほど保存療法が効きやすいと言えます。筆者は,大体3カ月ほど保存療法を行っても満足のいく効果がなければ手術を行っています。

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