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レビー小体型認知症(DLB)[私の治療]

No.5110 (2022年04月02日発行) P.40

織茂智之 (上用賀世田谷通りクリニック院長)

登録日: 2022-04-01

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  • レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies:DLB)は,アルツハイマー型認知症についで多い,神経変性疾患に分類される認知症疾患である。パーキンソン病と同様に,中枢神経系,末梢自律神経系の神経細胞や神経突起にαシヌクレイン凝集物(レビー小体,レビー神経突起)が沈着する。

    ▶診断のポイント

    幻視,パーキンソニズム(運動緩慢,静止時振戦,筋強剛のうち,どれか1つあればよい),レム睡眠行動障害,動揺性の認知機能について病歴や診察で確認し,必要に応じMIBG心筋シンチグラフィ,DATシンチグラフィを併用する1)

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    薬物療法は,認知機能障害,認知症の行動・精神症状(BPSD),パーキンソニズム,睡眠障害,様々な自律神経症状などに対する対症治療である。

    認知機能障害についてはランダム化比較試験で有効性が確認されている,コリンエステラーゼ(ChE)阻害薬〔アリセプト(ドネペジル塩酸塩),リバスタッチパッチ(リバスチグミン)またはイクセロンパッチ(リバスチグミン)〕とNMDA受容体拮抗薬〔メマリー(メマンチン塩酸塩)〕を用いる。

    BPSDについては,幻視,妄想,アパシーなどの薬物治療にはChE阻害薬が第一選択薬である。陽性症状にはメマリーを併用,抑肝散が有効なことがある。ChE阻害薬が使用できない,あるいは無効の場合,緊急にコントロールしなくてはならない行動症状に対しては,非定型抗精神病薬を少量から使用する。うつに対しては,セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)や選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を使用する。

    パーキンソニズムについては,レボドパが原則である。幻覚がある場合には,まずChE阻害薬を使用し,その後にレボドパを投与する。抗コリン薬は幻覚・妄想を悪化させ,認知機能低下を助長する可能性があるため,使用しない。

    自律神経症状については,起立性低血圧,排尿障害(過活動性膀胱),便秘などの治療を行う。起立性低血圧については,交感神経刺激薬としてのドプス(ドロキシドパ。半減期2時間),メトリジン(ミドドリン塩酸塩。半減期2.4時間),リズミック(アメジニウムメチル硫酸塩。半減期13.6時間)を単剤あるいは併用する。血漿増量薬のフロリネフ(フルドロコルチゾン酢酸エステル)を使用することもあるが,副作用(臥位高血圧,浮腫,低カリウム血症,心不全など)に留意する。

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