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臨床現場に即した効果的な思春期特発性側弯症への装具治療について

No.5049 (2021年01月30日発行) P.44

吉川一郎 (自治医科大学とちぎ子ども医療センター 小児整形外科教授)

白土 修 (福島県立医科大学会津医療センター附属病院 副病院長/整形外科・脊椎外科学講座教授)

登録日: 2021-01-28

最終更新日: 2021-01-28

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  • 思春期特発性側弯症(adolescent idiopathic scoliosis:AIS)の装具治療において,10歳頃の早期に発見された腰椎側弯では,進行した場合の治療難易度が高いためCobb角が10~15°でも私は装具治療を行っています。また,胸椎ダブルカーブに対してはunder arm braceでは近位胸椎カーブの矯正ができず,これを矯正可能なミルウォーキー装具(Milwaukee brace)は装着困難です。臨床現場に即した側弯形式ごとの装具治療の適応角度,タイミングとその方法,近位胸椎カーブへの対応について,ご教示下さい。
    福島県立医科大学会津医療センター・白土 修先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    吉川一郎 自治医科大学とちぎ子ども医療センター 小児整形外科教授


    【回答】

     【装具治療は約20〜25°を目安に症例ごとに検討して開始すべきである】

    AISに対して高いエビデンスを有する治療法は,装具と手術治療の2つです1)。その他,運動療法も治療上,有用であると言われていますが,そのエビデンスにはいまだ結論が出ていません。側弯症治療で世界の最先端を走る米国側弯症学会(Scoliosis Research Society:SRS)が推奨するAISに対する装具治療の適応は,①10歳以上,②Risser sign 0〜2,③Cobb角25〜40°,④初経前あるいは,初経から1年未満,です2)。しかし,装具治療の適応は,一律に決定することが難しく,症例ごとに検討されるべきというのが私の持論です。第二次性徴期にある側弯の進行・悪化をいかにして食い止め,手術治療を回避するかが装具治療の主眼です。

    個人的には,胸椎カーブでは25°,胸腰椎および腰椎カーブでは20°という数値を装具治療開始の目安にしています。もちろん,初経の有無,初経からの経過期間も重要です。初経前であれば,20°未満でも要注意です。しかし,直ちに装具治療を始めず,経過観察期間を短くし,約3カ月ごとに外来で経過を観察します(一般的なAISでは,6カ月ごとの観察です)。短期での経過観察中,進行するようであれば,装具治療を開始します。Risser signに関しても,2未満にこだわらず,30°を超えるような側弯であれば,3未満を条件に装具治療を行います。近位胸椎カーブに有効な装具は,体軸上の牽引力付加が可能なミルウォーキー装具以外にありません。しかし,整容上の問題で,その使用は現実問題として不可能です。主胸椎カーブなどのコントロールに傾注すべきと考えます。

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