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【書評】『整形外科レジデントのための上肢のベーシック手術』上肢手術の習得を志す医師にとって“最良の手引書”

No.5029 (2020年09月12日発行) P.66

山崎正志 (筑波大学医学医療系整形外科教授)

登録日: 2020-09-09

最終更新日: 2020-09-08

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われわれ運動器疾患診療に携わるものにとって、上肢手術習得のためのガイドブックと言うべき書籍「整形外科レジデントのための上肢のベーシック手術」が日本医事新報社から上梓された。

本書は上肢手術の上達を目指す整形外科レジデントを対象とし、代表的な上肢手術について動画を交えて丁寧に解説するというコンセプトで編集された。

編集には日頃から多くの上肢手術を自ら執刀し、そして日本手外科学会でも指導的な役割を果たされている田中利和先生があたり、整形外科レジデントが“必ずマスターしておきたい”上肢の解剖と9つの基本手術を精選している。各著者全員が上肢手術のスペシャリストであり、それぞれの手術を丁寧にわかりやすく解説している。

本書を手に取ってみると、素晴らしさをすぐに実感できる。まずは、臨場感のあふれる術中写真やイラストに引きつけられる。そして、手術適応、手術の留意点とコツなどについて術野の展開に従ってstep-by-stepに、手術のエキスパートである著者たちが苦労して習得してきたエッセンスが簡明に解説されている。レジデントたちがなかなか聞きにくい素朴な疑問をとり上げている「よくある質問Q&A」や、著者たちが“ここが手術で大切だ”と思うポイントを解説している「大切なこと」など、極めて多くの情報を効率的に得ることができる。

さらに、本書の手術内容に対応した15の手術動画がYouTubeと本書の電子版で閲覧可能なのも他の本にはない本書の魅力である。

外科系医師にとって安全・安心な医療の提供にあたり大切なのは、ずばり“手術手技の技術”である。その意味で実践的な本書は、安全・安心で確実な上肢手術を行うための良きナビゲーターであり、上肢手術に携わるもの、これから上肢手術を習得しようとするものにとって「必携の書」と言っても過言ではない。

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