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【書評】『臨床現場で直面する疑問に答える 成人食物アレルギーQ&A』成人食物アレルギー診療の定番書籍となる1冊!

No.5003 (2020年03月14日発行) P.66

谷口正実 (湘南鎌倉総合病院免疫・アレルギーセンター長)

登録日: 2020-03-11

最終更新日: 2020-03-10

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著者は、日本で最も多くの重症/希少の成人食物アレルギー患者さんを診療し、かつその原因を正確に突きとめ寛解させている、とても優れた臨床医です。現在、アレルギー疾患対策基本法が定めた国のアレルギー医療の中心拠点病院である国立病院機構相模原病院において、アレルギー科の中核メンバーとしても活躍中です。さらに著者は、そこで得られた臨床経験だけでなく、多くの国際的な研究業績を上げている世界トップレベルの新進気鋭の研究者でもあります。彼のもとには、全国から多くの成人食物アレルギーの患者さんが紹介されてくるだけでなく、熱意ある医師も大勢勉強に訪れています。

近年、成人の食物アレルギーは急速に増加し、国民の約10%に認められます。小児食物アレルギーと異なる点が多く、原因アレルゲンや機序、症状が様々で、アレルギー専門医でさえも、その対応に非常に苦労しているのが現状です。しかし今まで、成人食物アレルギーに特化した正しい内容の専門書はほとんどありませんでした。「臨床に役立つ、正しい内容の成人食物アレルギーの手引き」を、専門医や医療関係者はもちろん、患者さんもずっと渇望していました。今その期待に十分に応えるのが本書と断言できます。

本書は、この領域の第一人者である著者が、彼の多くの経験と高いスキルを活かして、大人の食物アレルギーにおいて、「正しい原因の見つけ方」、「最善の対応法」、「症状や病態」、「誤りやすい点」など、専門医でも回答できない疑問点に関して、67項目のQ&A形式で解説しています。項目ごとになったわかりやすい内容の手引書ですが、内容は最新の知見も多く含んだ現時点のバイブルともいえる、“成人食物アレルギーの診療の手引き書”に相当します。

本書が、大人のアレルギーを診療する医師だけでなく、栄養関係、医療関係者、また多くの食物アレルギーに悩む患者さんとご家族に大変有益であると確信するとともに、ここに強く推薦いたします。

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募集科目: 総合内科・消化器内科・呼吸器内科・神経内科・整形外科 等 若干名
勤務地: 長崎県大村市

急性期から回復期、維持期までの疾患の治療・管理はもとより、予防医学としての健診事業にも力を注いでいます。
ハイケアユニットから地域包括ケア・回復期リハ病棟まで有しており、地域の皆様に対して急性期から回復期まで切れ目のない医療、充実したリハビリサービスを提供できる体制が整っております。
基幹型臨床研修指定病院として医師の教育にも寄与しています。当協会のコンセプトの1つである離島医療の支援も積極的に行っています。

救急医療体制については、1次から3次まで幅広く患者さんを受け入れています。
特に3次救急患者さんに関しましては、症状に応じて長崎医療センター及び救急隊と連携をとりながら、必要に応じた救急対応を行っています。また、2次までの救急患者さんに関しては、専門医と総合医が協力し対応しています。
救急医療についても二次救急を担っています。緊急の大血管手術やバイパス手術も行っており、長崎県内外から高い評価を受けています。
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