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がん在宅医療における診療の工夫や注意すべき点は?

No.4921 (2018年08月18日発行) P.58

長島文夫 (杏林大学腫瘍内科教授)

栁川まどか (名古屋大学医学部附属病院老年内科)

登録日: 2018-08-21

最終更新日: 2018-08-14

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  • 高齢がん患者が,住み慣れた家でなるべく長く過ごせるといったことは重要です。高齢者機能評価はがん医療でも有用と考えられていますが,在宅医療への活用については腫瘍医側からすると十分に活用できていない印象です。がん在宅医療における診療の工夫や注意すべき点について,幅広い経験をお持ちの名古屋大学・栁川まどか先生に解説をお願いします。

    【質問者】

    長島文夫 杏林大学腫瘍内科教授


    【回答】

    【他施設の医師やケアスタッフが,お互いに連絡を取り合う関係を構築することが重要】

    高齢がん患者が自宅で長く過ごせるということは,患者のQOL向上,医療費削減の面からも求められています。高齢者機能評価ががん医療でも有用であるにもかかわらず,在宅医療へ活用されにくい背景には,せっかく評価した評価情報を,実際の在宅医療,介護サービスにどのように還元していくのかイメージしづらい点があると思います。

    高齢者機能評価は,患者の認知機能やADL,抑うつ状態を評価します。在宅医療へ活用するポイントとしては,①医師は現時点での高齢者機能評価とは別に,医療的予後についての情報を付け加えること(がんの進行,合併症の出現,苦痛症状の有無,認知機能低下や嚥下機能低下等),②連携する多職種ケアスタッフと情報を共有,周知すること,③繰り返し評価を行い,がん在宅医療に必要なサービスを具体的に検討,提案していくことです。

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