【質問者】
長島文夫 杏林大学腫瘍内科教授
【他施設の医師やケアスタッフが,お互いに連絡を取り合う関係を構築することが重要】
高齢がん患者が自宅で長く過ごせるということは,患者のQOL向上,医療費削減の面からも求められています。高齢者機能評価ががん医療でも有用であるにもかかわらず,在宅医療へ活用されにくい背景には,せっかく評価した評価情報を,実際の在宅医療,介護サービスにどのように還元していくのかイメージしづらい点があると思います。
高齢者機能評価は,患者の認知機能やADL,抑うつ状態を評価します。在宅医療へ活用するポイントとしては,①医師は現時点での高齢者機能評価とは別に,医療的予後についての情報を付け加えること(がんの進行,合併症の出現,苦痛症状の有無,認知機能低下や嚥下機能低下等),②連携する多職種ケアスタッフと情報を共有,周知すること,③繰り返し評価を行い,がん在宅医療に必要なサービスを具体的に検討,提案していくことです。
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