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オピオイド持続皮下注の実際[私の治療]

No.5274 (2025年05月24日発行) P.37

首藤真理子 (みなとホームケアクリニック院長)

登録日: 2025-05-25

最終更新日: 2025-05-20

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  • オピオイド持続皮下投与は点滴ルートの確保が困難な場合にも実施可能で,鎮痛効果は持続静脈内投与と同等である。持続皮下投与は点滴漏れの心配もなく,在宅でも安定してオピオイドを投与することが可能であり,患者自己調節鎮痛法(patient controlled analgesia:PCA)も実施できる(PCAについては「オピオイド持続静注の実際」の稿参照)。
    薬剤を皮下組織に安定して吸収させるためには,投与速度は1mL/時以下が望ましいとされており,投与量に限界がある。しかし,モルヒネやヒドロモルフォンのように高濃度規格製剤があるものを使用すれば,増量の幅がある。また,モルヒネは呼吸困難にも効果がある。
    脱水の補正目的で実施する皮下輸液では,生理食塩水や3号液などを,皮下に留置した針から数時間かけて(20~100mL/時程度で)点滴すると,皮下に貯留した輸液が体内にゆっくりと吸収される。オピオイド持続皮下注と皮下輸液では,どちらも皮下投与を行う点では同じだが,目的が異なるため投与速度に違いがある。


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