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コウノメソッド流 臨床認知症学

コウノメソッドの決定版!全面改訂出来

定価:8,800円
(本体8,000円+税)

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著: 河野和彦(名古屋フォレストクリニック院長)
判型: B5判
頁数: 612頁
装丁: 口絵カラー
発行日: 2021年06月22日
ISBN: 978-4-7849-4369-2
版数: 2
付録: 綴じ込み付録 1-1 診断チャート 1-2 経過チャート 2-1 改訂長谷川式スケール(河野改変版) 2-2 ピックスコア2015 2-3 レビースコア 2-4 バランス8 3 病状説明書 4 CT画像での大脳萎縮度(各年代における健常コントロール) 5 コウノメソッド推奨薬剤一覧

● 年間1,400名以上の新患を診ている著者が考案した認知症治療体系が「コウノメソッド」です。
● 認知症の各病型を、アセチルコリン欠乏病、歩行系ドパミン・アセチルコリン欠乏病、ドパミン過剰病、歩行系ドパミン欠乏・精神系ドパミン過剰病、小脳疾患、treatable dementia、長寿系認知症、神経連絡不全病、認知症の原因となるその他の疾患、ノルアドレナリン・ドパミン欠乏病、セロトニン欠乏病と、独自の分類で体系的に解説。
● 認知症と紛らわしい発達障害、側頭葉てんかん、タウオパチーもトータルに診られるよう、解説を充実させました。
● 著者の豊富な診療経験からたどり着いた「診断チャート」「経過チャート」等(巻末付録)付き。
● コウノメソッド実践医一覧付き。

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目次

Ⅰ:総論
01 医師,患者・家族の「認知症」に対する認識
 1.医師の認識─認知症病型鑑別の歴史
 2.患者・家族の認識
 3.認知症の分類
 4.認知症診療の場─開業保険医の出番
02 発症から初診,診断における考え方
 1.認知加齢と認知症
 2.認知症の早期発見・早期治療
 3.鑑別診断までの過程
 4.病理診断と臨床診断の違い
 5.臨床に則した患者分類
 6.患者を不幸にしないための考え方
 7.臨床経過
03 治療総論
 1.コウノメソッドの基本的な考え方
 2.中核薬
 3.抑制系薬剤
 4.興奮系・覚醒系薬剤
 5.健康補助食品

Ⅱ:各論
01 アセチルコリン欠乏病
 1.アルツハイマー型認知症
02 歩行系ドパミン・アセチルコリン欠乏病
 1.パーキンソン病
 2.レビー小体型認知症
 3.高齢者の幻視・妄想,うつ状態
03 ドパミン過剰病
 1.意味性認知症
 2.進行性非流暢性失語
 3-1.行動障害型前頭側頭型認知症(bvFTD)
 3-2.FTD-MNDタイプ
 3-3.FTD-FLDタイプ
 4.認知症責任疾患の合併
 5.家族性前頭側頭型認知症
 6.高齢者の前頭側頭葉変性症
 7.前頭側頭型認知症(FTD)に鑑別を要する疾患
 8.前頭側頭葉変性症へのパーキンソン病治療薬の使用
04 歩行系ドパミン欠乏・精神系ドパミン過剰病
 1.レビー・ピック複合(LPC)
 2.大脳皮質基底核変性症
 3.進行性核上性麻痺
05 小脳疾患
 1.小脳と認知症
 2.多系統萎縮症
 3.筋強直性ジストロフィー
06 treatable dementia
 1.硬膜下血腫・水腫
 2.正常圧水頭症
 3.甲状腺機能低下症
 4.ビタミンB1欠乏症(ウェルニッケ脳症)
 5.ビタミンB12欠乏症
 6.葉酸欠乏症
 7.脳腫瘍
 8.低酸素脳症
 9.側頭葉てんかん
 10.アルコール性認知症
07 長寿系認知症
 1.高齢者の大脳
 2.石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病
 3.神経原線維変化型老年期認知症
 4.嗜銀顆粒性認知症
 5.糖尿病性認知症
08 神経連絡不全病
 1.脳血管性認知症
 2.脳血管性認知症と誤診されやすい症例
09 認知症の原因となるその他の疾患
 1.ハンチントン舞踏病
 2.クロイツフェルト・ヤコブ病
 3.多発性硬化症
10 ノルアドレナリン・ドパミン欠乏病
 1.大人の発達障害
 2.注意欠陥・多動性障害の診断
 3.発達障害の併存
 4.認知症に発達障害が併存する
11 セロトニン欠乏病
 1.レビー小体型認知症の精神病背景
 2.海馬萎縮が強い超高齢者への考察
 3.三環系抗うつ薬を使うとき

Ⅲ:外来での工夫(実践編)
01 外来診療の流れ
 1.もの忘れを主訴とする初診患者の鑑別
 2.診断チャートの使い方
 3.経過チャートの使い方
02 外来診療の工夫と要点.
 1.患者の来院まで
 2.診察室への入室
 3.ルーチン検査
 4.診断における要点
 5.治療における要点


コウノメソッド実践医一覧(都道府県別医師名50音順)
索引
改訂版あとがき
補遺『ドクターコウノの認知症動画』

巻末付録
1-1.診断チャート
1-2.経過チャート
2-1.改訂長谷川式スケール(河野改変版)
2-2.ピックスコア2015
2-3.レビースコア
2-4.バランス8
3.病状説明書
4.CT画像での大脳萎縮度(各年代における健常コントロール)
5.コウノメソッド推奨薬剤一覧

column
認知症診療はプライマリケア医の仕事
脊柱管狭窄症と閉塞性動脈硬化症の見つけ方
整形外科医も認知症を診察する時代へ
BPSDという概念に含まれるあいまいさ
認知症の診断に高額な費用は不要
精神腫瘍科とコウノメソッドに共通した処方理論
アルツハイマー型認知症に対する抗精神病薬投与について
悪性症候群について
医療機関におけるサプリメントの販売に関する公的見解
錐体外路症状とパーキンソニズム
左利きの優位半球は右である
薬価の低い薬にも正当な評価を
精神疾患-認知症スペクトラム
グルタチオンが小脳失調に効果を示す理由
グルタチオンが奏効した小脳出血による歩行障害
胃瘻造設についての考え方
脳挫傷は変性性認知症のきっかけになるか
頭部外傷とパーキンソン病
おしゃれなよだれかけ

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序文

改訂版の序にかえて


日本医事新報社のコウノメソッドシリーズは,2020年までに8冊刊行されました。本書『コウノメソッド流 臨床認知症学』は,そのうちの4冊目として2015年に刊行され,幸いなことに増刷できました。あれから6年が経ち,ここに改訂版を出させて頂くことになりました。
この改訂版での変化は,筆者の最近6年間に起きた変化でもあります。最近の既刊『コウノメソッドでみる急速進行型認知症』でもお示ししましたが,発達障害,側頭葉てんかん,タウオパチー(特に神経原線維変化型老年期認知症),栄養療法(糖質制限,ReCODE[reversal of cognitive decline]法)を勉強して,認知症の世界が精神科や神経内科へ広がってきました。
たとえば,レビー小体型認知症の患者さんが来られたときに,「自分はパーキンソニズムと認知機能障害を診るけれど,幻覚は専門外だから精神科に行って下さい」と家族に言った医師の話を聞きました。こういう状況は望ましくないと思うのです。Lドーパを必要以上に処方すると幻覚が出るわけですし,幻覚を強引に消そうとすると歩行障害に拍車がかかるでしょう。そのような絡み合いが起きる疾患を,別々の医師が診るなどということは,できません。
また,近年レビー小体型認知症は,注意欠陥・多動性障害を併存している確率がアルツハイマー型認知症の3倍高いという報告もあるように,認知症患者が介護抵抗する理由が認知症ではなく発達障害(昔は性格だと思われていた)のせいである可能性が低くはないのです。
そうなると,外来に付き添ってきた引きこもりの息子さんが,「僕にもレビーが遺伝しますか」と心配そうに聞いてきたときに,医師は「あなたは,整理整頓が苦手ですか,寝言がひどいですか」という質問をしてYesであるならば,彼には患者の発達障害が遺伝し,レビー小体病の発病リスクを背負っていると考えることができます。もちろん,ムンテラでは深刻な言い方はしないようにします。
さらに,50歳以上の運転手が認知症ではないのにブレーキとアクセルを踏み間違える, 認知症患者の記憶力があるときから急激に悪化するなどといった事象に,側頭葉てんかんが関与しているのに,脳波検査に引っかからないという根拠でてんかんを否定してされてしまい, 治療されないということが起きています。
フランスが抗認知症薬の保険適用を認めなくなり,ちょうど同じ頃に日本ではデール・ブレデセンのReCODE法が知られるようになりました。アルツハイマー型認知症は36の穴が屋根に空いた家と同じだという説明がされ,多くの人が関心を持ちました。ブレデセンは,もともと治療薬の開発をしていたのですが,薬では穴が1つしか防げないということに気づいたと言います。折りしも糖尿病治療に糖質制限を取り入れる医師が増えてきており,筆者も糖質制限で脂肪肝を治すことができました。ReCODE法のメインは糖質制限だと思われます。
アルツハイマー型認知症は第三の糖尿病,緑内障は第四の糖尿病と言われており,患者への食事指導が重要であることに気づかされました。外科系の医師が癌治療の限界を感じて予防医学に転向するケースがあるようです。コウノメソッドは,認知症を難病のひとつと認識しています。そして,保険医療では治せないために難病と呼ばれても,自由診療であれば難病ではないかもしれないという認識をしています。
エビデンスがない,自由診療に疑問があるということでコウノメソッドから離れていく医師もおられるようですが,一方でコウノメソッド実践医は着実に増えているのはなぜでしょうか。ぜひ,筆者が充実した外来を行っていることに目を向け,地域で自分しか改善できない患者さんがいるという喜びを読者の皆さんにも得て頂きたいと考えています。医療の進歩は,常に異端によって成し遂げられてきたという事実を考える機会として頂ければ幸いです。


2021年 5月 著 者

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