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はじめてのてんかん・けいれん診療 ─上手な説明・コンサルテーションの仕方─

NGな対応・OKな対応を知って説明上手になる!

定価:3,960円
(本体3,600円+税)

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編著: 小出泰道(小出内科神経科副院長/淀川キリスト教病院小児科)
判型: A5判
頁数: 160頁
装丁: 2色刷
発行日: 2017年03月13日
ISBN: 978-4-7849-4566-5
版数: 第1版
付録: -

■著者らが非専門医,および,患者さんや家族からよく受ける質問をまとめ,間違いがちな対応/望ましい対応を解説しました。

■コンパクトかつ平易な解説で,忙しい臨床の合間にさっと読めます。

■専門医ではないけれども,てんかんに遭遇する可能性がある先生方におすすめしたい本です。専門医に紹介する前にぜひご一読下さい。

目次

1章 てんかん・けいれん一般
1.けいれんの原因や病態
けいれんはなぜ起こるのですか?
2.てんかんの定義
てんかんって何ですか?
3.てんかんとけいれんの違い
てんかんとけいれんってどう違うのですか?
4.てんかんの症状の表現型
てんかんの症状ってどんなものですか?
5.てんかんと鑑別が必要な症状
うちの子のこの動き,てんかんじゃないですか?
6.てんかんの原因
うちの子のてんかんの原因は?
7.てんかんの診断
てんかん診断には何が必要ですか?
8.てんかん分類の意味とやり方
うちの子のてんかんは○○てんかん?
9.てんかんの予後予測
うちの子のてんかんは治りますか?
10.てんかんと遺伝
うちの家系にてんかんの人はいないんですけど?子どもにてんかんは遺伝しますか?
11.難治てんかんの定義
うちの子は難治てんかんですか?
12.熱性けいれんの原因
熱性けいれんはどうして起こるのですか?
13.熱性けいれんとてんかんの違い
熱でひきつけたのですが,てんかんなのですか?
14.てんかん発作による後遺症
てんかん発作で脳に障害が残ることはありますか?
15.てんかんと発達障害/知的障害との関係
発達障害や知的障害があるとてんかんになりやすいのですか?またその逆は?
16.精神症状をみた場合の対応
てんかんを発症してからイライラしやすくなった気がします。そんなことありますか?

2章 対 処
17.発作時の対処についての指導
発作を起こしているときはどうしたらいいですか?してはいけないことはありますか?
18.救急車を呼ぶべき場合の指導
発作を起こしたときは救急車を呼ぶべきでしょうか?
19.救急搬送時の入院の適応
けいれん発作を起こしたときは入院させなくていいのですか?
20.熱性けいれんへの対処(アンヒバ®やダイアップ®を使う?)
熱が出たとき,けいれんが起こったときはどうしたらいいですか?

3章 診断・検査
21.脳波検査のてんかん診療での役割
脳波検査って何ですか?どういう意味があるのでしょうか?
22.脳波検査とてんかんの関係
脳波に異常があるのがてんかんですか?
23.脳波以外の検査
MRIは撮らなくてもいいですか?
24.薬物血中濃度の意義と測定方法の実際
薬の血中濃度はなぜ測るのですか?

4章 薬物療法
25.抗てんかん薬選択の実際
薬はどうやって選んでいるのですか?
26.薬剤変更のタイミングと方法
そろそろ薬を変えたほうがよいでしょうか?
27.薬物相互作用の指導
一緒に飲んではいけない薬はありますか?
28.薬剤処方時の説明,副作用についての説明
薬の副作用が心配です
29.服薬指導(飲み忘れたときの対応や食事時間との関係など)
薬の飲ませ方で何か注意することはありますか?
30.減薬や断薬のタイミング
薬はずっと飲まなくてはいけないのでしょうか?
31.てんかん外科手術の現状,手術を検討するタイミング
てんかん外科手術ってどんなことをするのですか?うちの子は対象になりますか?

5章 生活・制度など
32.日常生活一般について話しておくべきこと
どういう生活をさせればよいでしょうか?1人で行動させてもいいですか?
33.運動指導
水泳やスポーツ,部活動はやらせてもよいですか?
34.学校行事に参加する場合の指導
修学旅行は参加してもいいですか?
35.学校への説明
学校や友達にはてんかんがあることを説明したほうがよいでしょうか?
36.職業選択上の注意点
大人になって,普通に仕事ができるのでしょうか?なれない職業等はありますか?
37.運転免許取得の相談への対応
運転免許は取れますか?
38.てんかんの診療連携
てんかんセンターってどんなところですか?
39.てんかん患者が利用できる医療費補助や福祉の制度
将来の医療費が心配です。何か補助は受けられないですか?
40.生命保険加入への対応
生命保険には加入できますか?

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序文

てんかんは脳波検査も含め,単一の臨床検査で診断が可能な疾患ではありません。基本的にはてんかん発作が起こっていることが確実であれば「てんかん」と診断ができますが,その診断を可能にするのは詳細な問診です。

また,てんかんと診断されることは,患者さんやご家族に複雑な感情を呼び起こします。それはやはり(同じ慢性疾患でも)高血圧とは違います。そのため,いわれのない誤解や不安を解消することが重要で,その後の治療の成否を左右する大きなカギにもなります。つまり,“てんかんの診療では患者さんやご家族とのコミュニケーションが診断や治療に大きな役割を果たしている”のですが,この点はこれまであまり強調されてこなかったように思います。実際,明らかに本来必要な説明が不足,あるいは誤った説明を受けて来院するなど,医師とのコミュニケーションに問題を抱えた患者さんに出会うことは珍しくありません。

そうした現状を踏まえ,主に若手の先生に対して,患者さんからよく受ける質問に答える形での解説書を作りたいと考えました。執筆をお願いした先生方は今まさに外来でてんかんの患者さんやご家族とのコミュニケーションに明け暮れている方ばかりです。各執筆者の先生には,質問に対して「こう答えよう」という例を挙げて,その答えの背景になるデータなどをお示し頂きました。質問の項目立てについては淀川キリスト教病院の小児科の若手の先生方にもお世話になりました。患者さんの質問に自信を持って答えられる,そんな診療のお役に立つ本だと自信を持って言えます。どうぞ外来に行く前に,患者さんに会う前に読んでおいてください。

2017年2月 編者

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正誤情報

下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。

・ 目次

〈誤〉「索引 148ページ」→〈正〉「索引 150ページ」

索引の掲載ページは148ページでなく,150ページです。謹んでお詫び申し上げます。

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