10年前から夜間の両眼の痛みを自覚しており,眼科ではドライアイと診断されていた。3年前から両頰および側頭部にも痛みが出現し,毎晩3〜4回の中途覚醒をきたすようになったが,薬物療法の効果に乏しく,原因不明のため当科紹介となった。中途覚醒時には,瞬き,閉眼,まぶたのマッサージ,視線の移動などの対処により再入眠できるという。日中に痛みはない。既往歴は鉄欠乏性貧血,多囊胞性卵巣症候群,子宮筋腫。喫煙歴,飲酒歴はなし。内服薬はアミトリプチリン,クエン酸第一鉄。
身体所見に異常はみられず,一般血液,生化学検査も正常範囲であった。
患者が記した疼痛部位と発症年を示す(図1)。