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食塩感受性高血圧の遺伝子検査は可能か?【候補遺伝子を解明中だが,血圧の食塩に対する反応には環境要因も大きい】

No.4885 (2017年12月09日発行) P.64

下澤達雄 (国際医療福祉大学医学部臨床検査医学主任教授)

登録日: 2017-12-07

最終更新日: 2017-12-05

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  • 食塩感受性高血圧に関して以下を。
    (1)本態性高血圧において食塩感受性高血圧の疫学は出ていますか。
    (2)食塩感受性高血圧を確定する検査(遺伝子検査を含めて)はありますか。

    (沖縄県 M)


    【回答】

    (1)食塩感受性高血圧の疫学
    塩分摂取量と血圧の関連については,INTERSALT研究1)やNIPPON DATA802)などの大規模疫学研究ならびに最近のメタ解析3)から,塩分摂取量と血圧の間には正の相関関係が認められています。また,減塩による降圧,臓器保護についても,メタ解析で有用性が示されています4)5)。これらの観察研究,介入研究から減塩の有効性は確立しており,「高血圧治療ガイドライン 2014」でも高血圧患者の塩分摂取量は6g/日とされています。

    しかし,ご質問のように,高血圧患者の中に特に食塩に感受性が高く,塩分摂取による血圧上昇の程度が高い患者とそれほどでもない患者がいることも事実です。海外の検討で食塩負荷時の血圧上昇を自由行動下血圧測定(ambulatory blood pressure monitoring:ABPM)で評価したものでは46人中19人(41%)が食塩感受性であったとされています6)。しかし,食塩感受性は遺伝子,性別で決まる部分と環境因子により変化しうる部分があり,同じ患者を4年間経過観察した場合,塩分に対する血圧反応が変化しうることが示されています7)。さらに,食塩に対する血圧の反応性は連続的で,日本人を対象として検討した場合,20人程度の少数例の検討では食塩負荷時の血圧上昇は10%程度のところに最も多く認められます8)

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