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【他科への手紙】消化器内科→整形外科

No.4855 (2017年05月13日発行) P.47

西田淳史 (滋賀医科大学医学部附属病院消化器内科)

登録日: 2017-05-12

最終更新日: 2017-05-12

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  • 超高齢社会となり、消化器内科の患者も例にもれずご高齢の方々が増え、整形外科の先生方にお世話になることが多くなってきています。それに伴い、最近では腰痛や関節リウマチ(RA)などの疾患を持ちながら、消化器内科と併診している患者も増加しています。加齢に伴うそれらの疾患の治療のため、多くの方が鎮痛薬として非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用しています。

    現在、消化性潰瘍の原因のほとんどは、NSAIDsとヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)です。消化性潰瘍の罹患者数は、抗潰瘍薬の開発やH. pyloriの除菌効果によって減少していますが、依然として胃潰瘍は約35万人、十二指腸潰瘍は約4万人と推計されており、注意を要します。NSAIDsを3カ月以上内服したRA患者を対象に上部消化管障害の有病率を検討した報告では、15.5%に胃潰瘍、1.9%に十二指腸潰瘍が見つかりました。一般人口における発見率がそれぞれ1.42%と0.59%であることを考えると、NSAIDs内服により胃潰瘍は10倍以上、十二指腸潰瘍は3倍以上も発生頻度が高まります。

    NSAIDsによる消化管障害の機序としては、アラキドン酸カスケードのシクロオキシゲナーゼ阻害を介したプロスタグランジン(PG)産生抑制が知られています。PGは胃粘膜保護作用を担うため、その産生低下により粘膜障害が生じます。症状は、慢性的に心窩部痛が持続するものや、突然の吐下血によりショック状態に至るものまであります。このような方は、消化器内科にご相談下さい。

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