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認知症患者のQOL低下が介護者の介護負担感を増加させる 【介護者の人数を増やすこと,患者のQOLを良好に維持することが介護者の負担感を軽減する】

No.4781 (2015年12月12日発行) P.52

櫻井博文 (東京医科大学高齢総合医学准教授)

羽生春夫 (東京医科大学高齢総合医学主任教授)

登録日: 2015-12-12

最終更新日: 2016-10-26

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2013年に発表された厚生労働省研究班が行った調査によると,わが国の認知症患者は462万人で,65歳以上の高齢者の約15%と推定され,認知症高齢者の増加は社会問題になっている。認知症は,患者のみならず,周囲の人々のquality of life(QOL)に大きな影響を与える。このため,認知症のケアでは,本人だけでなく家族・介護者への支援も重要である。
東京医科大学病院では,認知症およびそのケアに対する理解を深め,介護者の負担感を軽減する目的で,認知症介護者教室を開催している。参加した認知症介護者を対象に,介護負担に関連する要因を検討した結果を示す。この教室の参加者48名を対象として,患者の認知機能(MMSE),ADL(今井らのADL評価),行動心理徴候(NPI-Q),QOL(EuroQolの5項目法)の評価および介護状況調査を行って,介護負担感(Zarit Burden Interview)との関連を調べた(文献1)。
今回の結果では,患者のQOL,介護者の人数が認知症介護者の介護負担感に有意に影響していた。この結果から,認知症ケアにおいて,介護者の人数を増やすこと,患者のQOLを良好に維持することが,介護者の負担感を増加させないために重要であることが示された。

【文献】


1) Sakurai H, et al:Geriatr Gerontol Int. 2015;15(3):384-5.

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