編集: | 岡 靖哲(愛媛大学医学部附属病院睡眠医療センター長・特任教授) |
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判型: | B5判 |
頁数: | 184頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2023年04月25日 |
ISBN: | 978-4-7849-6685-1 |
付録: | 無料の電子版(HTML版)が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
◆ 近年増加している睡眠障害について、第一線のエキスパートがジェネラリスト向けにわかりやすく解説!
◆「不眠症」「睡眠時無呼吸症候群」「レストレスレッグス症候群」など主要7疾患について、「どう疑うか?」「どう対応するか?」「いつ専門医に紹介するか?」を軸に診断・治療の進め方を整理しています。
◆「COVID-19と睡眠」「睡眠負債と社会的時差ぼけ」「インターネット・ゲーム障害と睡眠」などの最新トピックスについても網羅的に学べます。
◆ ジェネラリスト・非専門医のみならず、睡眠障害を専門とする先生の知識の再整理にも役立ちます。
本書は、Webコンテンツ(PDF版+HTML版)としても別途ご購入いただけます
1章 総論
1. 睡眠のメカニズム(林 光緒)
2. 睡眠を評価するための検査法(藤野葉子/大江晶子/吉良智子/清水洋志)
2章 睡眠障害の診断と治療
1. 不眠症(金子宜之/鈴木正泰)
2. 睡眠時無呼吸症候群(閉塞性睡眠時無呼吸)(中山明峰/寺西正明)
3. 過眠症(本多 真)
4. 概日リズム睡眠障害(概日リズム睡眠・覚醒障害)(淡野桜子)
5. 睡眠時遊行症・睡眠時驚愕症(加藤久美)
6. レム睡眠行動異常症(レム睡眠行動障害)(宮本智之)
7. レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)(岡 靖哲)
3章 医療者が知っておくべき睡眠のトピックス
1. 運転と睡眠(熊谷 元/塩見利明)
2. 地域高齢者の睡眠への非薬物的アプローチ(田中秀樹)
3. 児童の睡眠(笹澤吉明)
4. 未就学児の睡眠(古谷真樹)
5. 睡眠中の乳幼児突然死(髙田律美)
6. 神経発達症と睡眠(岡 靖哲)
7. 睡眠に対する認知行動療法(綾部直子)
8. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と睡眠(山本隆一郎)
9. 睡眠負債と社会的時差ぼけ(田村典久/佐野彩奈)
10. インターネット・ゲーム障害と睡眠(岡 靖哲)
不眠をはじめとする睡眠障害や睡眠の問題は,日常診療でほとんどの先生方が遭遇されているものと思います。jmedmookは日常診療で役立つ情報をタイムリーに提供することを目的としており,睡眠障害を取り上げるのは第12号以来となります。今回の「いま知っておきたい 現代の睡眠障害」では,患者さんの睡眠を改善するためにお役に立てるよう,3つの章を企画しました。
第1章では,睡眠診療の基礎知識として,睡眠のメカニズムと,睡眠の評価法を解説しています。睡眠のメカニズムを知ることは,良好な睡眠をとるためにはどうしたらよいかを患者さんに説明するためにも有用です。また睡眠の評価法は,睡眠専門医療機関でどのような評価が行われているかを知って頂く上で大切な情報です。
第2章では,主要な睡眠障害として7つの疾患を取り上げ,睡眠障害臨床・研究のトップエキスパートにわかりやすく解説頂きました。多様な睡眠障害の中で,日常診療で遭遇する可能性の高い睡眠障害を見逃すことがないよう,また「専門医につなげるポイント」にも重点をおいて解説しています。
第3章では,医療者にぜひ知っておいてほしい睡眠のトピックスについて,睡眠改善を実践されている専門家にコンパクトにまとめて解説頂きました。睡眠の問題でお困りの方の背景にある,現代の睡眠の問題について取り上げているのが今回のムックの特徴ではないかと思います。
睡眠の重要性の理解や啓発をめざして,2022年11月に超党派の「国民の質の高い睡眠のための取り組みを促進する議員連盟」(略称:睡眠議連)が設立されるという動きもあり,睡眠医療への注目度はますます高まっています。しかし,「睡眠のことで困ったときにどこを受診すればよいかわからない」という声も多く耳にします。多くの先生方に睡眠障害について知って頂くことで,まずは身近な医師に睡眠の問題を相談でき,必要に応じて専門医に紹介して頂くという流れができれば,多くの患者さんの福音になるのではないかと思います。このムックが睡眠障害診療の裾野を広げる上でもお役に立てれば幸いです。
2023年3月
愛媛大学医学部附属病院睡眠医療センター長・特任教授
岡 靖哲