3年以上にわたる新型コロナウイルス感染症の感染拡大は,2024年度のトリプル改定(診療・介護・障害福祉サービス等報酬)に大きな影響を与えたと言える。その中でも,介護支援専門員(ケアマネジャー)として業務上,特に影響を感じたのは,「がん末期療養者の在宅療養へのシフト」である。
新型コロナウイルス感染症が5類感染症となった現在でも,「面会制限があるので自宅で家族と終末期を過ごしたい」と希望する療養者が増えている。依頼を受けて暫定ケアプランでサービスを導入するものの,死亡後に要介護認定が出ているという現状もある。医療者には在宅療養へシフトするクリティカルパスに,積極的に取り組んでもらいたいと考える。
問題点として,退院前カンファレンスの制限や実施なしのケースが多く,本人・家族のアセスメントに費やす時間が少ないことが挙げられる。まずは,自宅を訪問して家屋調査を行い,在宅療養の環境整備や家族の意向,本人が自宅退院にどのような想いを持っているか,家族はその想いに対する心構えができているのか,を確認することが重要である。
残り1,443文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する