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心臓MRIは心筋症評価以外にどのような場面で検討すればよいか?

No.5248 (2024年11月23日発行) P.52

杉崎陽一郎 (Cardiovascular Research Foundation/Columbia University Irving Medical Center)

池田和也 (埼玉県立循環器・呼吸器病センター循環器内科医長)

登録日: 2024-11-21

最終更新日: 2024-11-19

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  • 心臓MRIは心筋症評価以外にどのような場面で検討すればよいでしょうか。
    埼玉県立循環器・呼吸器病センター・池田和也先生にご解説をお願いします。

    【質問者】
    杉崎陽一郎 Cardiovascular Research Foundation/Columbia University Irving Medical Center


    【回答】

    【虚血性心疾患の評価,急性心筋炎の診断,心機能・形態評価などの場面で検討する】

    心筋症の評価以外に心臓MRIを考慮するべき場面は,①虚血性心疾患(ischemic heart disease:IHD)の評価,②心筋炎の診断,③他のモダリティが苦手とする心機能・形態評価,などです。

    IHDの評価において,まずMRI遅延造影(late gadolinium enhancement:LGE)が有用です。LGEのパターンからは虚血性心筋症と非虚血性心筋症の鑑別が可能であり,LGEの深達度は心筋のバイアビリティ評価に用いられます1)。また,負荷パーフュージョンMRIは,心筋虚血の有無を負荷心筋シンチグラフィと同等以上の精度で診断可能です2)3)。magnetic resonance coronary angiography(MRCA)は,非造影かつ被曝なしで冠動脈の形態評価が可能であり,腎障害症例やヨード造影剤アレルギー症例,小児期(川崎病後遺症など)では安全な選択肢となります。シネMRIは,心不全を伴うIHDの評価にclassⅡaの推奨があります4)。さらに,これまで述べた様々なシークエンスによるIHD評価を,並行的に補完し合いながら可能なことも心臓MRIの強みです。

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