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「家族性高コレステロール血症診断のためのアキレス腱厚測定法」について著者の道倉雅仁先生にお聞きしました

No.5211 (2024年03月09日発行) P.67

登録日: 2024-03-06

最終更新日: 2024-03-05

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家族性高コレステロール血症診断のためのアキレス腱厚測定法

●執筆
道倉雅仁(関西超音波サービス代表取締役/大阪医科薬科大学循環器内科非常勤講師/国立循環器病研究センター糖尿病・脂質代謝内科非常勤)

●商品説明
判型:A4判
頁数:25頁、動画8点
価格:1,650円(税込)


─本コンテンツの特徴・魅力を教えて下さい。

家族性高コレステロール血症(FH)は約300人に1人の割合で発症し、出生時から著明にLDL-コレステロールが高く、アキレス腱の肥厚が特徴的です。LDL-コレステロールとアキレス腱とは無関係のようですが、実はとても密接な関係があります。アキレス腱が肥厚する理由については本書で詳しく触れていますが、アキレス腱への脂質沈着が原因と考えられています。このため、FHのアキレス腱は肥厚するだけでなく内部性状も変化します。本書では実際の患者の写真だけでなく、動画も多く掲載していますので印象に残りやすいと思います。

以前のFH診断基準ではアキレス腱の厚さの測定はX線法のみでしたが、2022年の診断基準から超音波法が追加されました。同じアキレス腱の厚さを測定しているにもかかわらず、アキレス腱肥厚の基準値はX線法と超音波法で異なります。実際の診療現場でも、X線法では肥厚があるのに超音波法や触診では肥厚を認めない症例に出会うことがあります。この相違は、アキレス腱のねじれが関係しており、その原因を理解することはFHを診断する際にとても役に立ちますので、是非本書をご覧下さい。

─本コンテンツでスキルアップすると臨床上、どんな良い変化が期待できますか。

FHは遺伝性疾患ですが、原因遺伝子の違いがアキレス腱の肥厚に関与しています。もしかすると、アキレス腱の厚さを測定するだけで原因遺伝子を推測できるようになるかもしれません。また、診断だけでなく予後の評価も可能です。FHは早発性に心血管イベントを起こしやすいのですが、アキレス腱の厚さでイベントを起こしやすいかどうかを推測できます。

FHは常染色体優性遺伝ですので、診断された患者さんだけでなく、その方の親やお子さんなど一家を救うことができます。本書によってアキレス腱の厚さの測定が普及し、診断率の向上に寄与できれば嬉しく思います。

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