株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

補完代替療法[私の治療]

No.5186 (2023年09月16日発行) P.41

土屋淳郎 (土屋医院院長)

登録日: 2023-09-19

最終更新日: 2023-09-12

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 補完代替療法とは,日本補完代替医療学会の定義では,「現代西洋医学領域において,科学的未検証および臨床未応用の医学・医療体系の総称」とされており,中国医学(中薬療法,鍼灸,指圧,気功),インド医学,免疫療法,健康食品,ハーブ療法,アロマセラピー,心理療法,温泉療法,音楽療法など,その範囲は多岐にわたる。また,これらを現代西洋医学と統合し,患者中心の医療を行う「統合医療」という考え方もある。

    ▶主治医としてやるべきこと

    補完代替療法に対して,患者側と医療側ではその認識が異なる。医師の多くは有用性に懐疑的である一方で,患者側,特に高学歴,高収入,若年者,不安の強い者などは補完代替療法を利用する傾向があると言われている。主治医としては,補完代替療法のメリットやデメリットを正しく理解し,現在行っている治療との併用が可能なのか,併用する場合の注意点は何か,併用しないほうがよいのか,を判断できるようになることが好ましい。

    ▶多職種連携のポイント

    補完代替療法に対しての方針を,多職種連携チーム内で統一させることが必要である。人によって意見が違ったり,あいまいな対応になったりしては,治療効果だけでなく療養の質や信頼関係にも影響が出かねない。

    ▶本人・家族への助言

    まずは患者本人や家族の思いをくみ取ることが重要である。多くは不安や疼痛などの症状を緩和したいとの願いがあるので,医療者としてもその思いに寄り添う助言ができるとよいであろう。一方で,「友人に勧められた」「テレビやインターネットで見つけた」という場合には情報ソースが不確実なこともあるため,適切な情報提供を行った上で再検討することを勧めるとよい。

    残り1,859文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    関連物件情報

    もっと見る

    page top