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【書評】『転倒予防白書2023』転倒予防に関わる知識を網羅・凝縮した臨床家のための一冊

No.5184 (2023年09月02日発行) P.67

向野雅彦 (北海道大学病院リハビリテーション科教授)

登録日: 2023-08-30

最終更新日: 2023-08-29

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転倒は,健康状態ならびに生活の質に大きなインパクトを与えるイベントであり,超高齢化の進む現代社会において,転倒を未然に予防することの重要性は年々高まっています。

『転倒予防白書2023』は,2022年に一般社団法人となった日本転倒予防学会が,多数の専門家の参加により,転倒予防についての多角的・多層的な知識を網羅すべく編集しており,まさに「白書」と冠したタイトルにふさわしい内容となっています。

転倒の統計,日本転倒予防学会が主導する様々な転倒予防の取り組みや転倒に関わる学術研究の動向に始まり,転倒予防に関わる工学技術開発や補助具などの情報,また地域における取り組み,国際的なガイドラインの情報,さらには転倒に関わるフレイル,サルコペニア,ロコモティブシンドロームなどの関連病態についての最近の研究の動向に至るまで,詳細に,かつわかりやすく解説がなされています。

これから転倒予防に取り組もうという臨床家が全体像を知ることに役立つばかりでなく,専門家にとっても最新の動向について簡単に参照することができるように整理されており,これらすべての要素が一冊の書籍に収められていることには,読み進めながら感動を覚えました。

『転倒予防白書2023』は,編著者の序文にあるように,日本全国の専門家のみならず,「転倒予防に関わる多くの人々に活用され,超高齢社会の道を歩み続けるわが国の道標」となるに違いありません。

転倒予防に取り組む臨床家の方々には,ぜひ一度手に取って頂き,この体験を共有して頂きたいと心から思う次第です。

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