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二次性高血圧症[私の治療]

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  • ▶治療の実際

    【腎実質性高血圧】

    減塩に加えて下記薬剤を使用する。高齢者やeGFR<30mL/分/1.73m2の症例では,RA系阻害薬は少量から開始する。利尿薬はeGFR≧30mL/分/1.73m2の症例ではサイアザイド系利尿薬,それ未満はループ利尿薬を用いる。

    〈尿蛋白陰性の症例〉

    一手目 :コニール4mg錠(ベニジピン塩酸塩)1回1錠1日1回(朝食後)

    二手目 :〈一手目に追加〉ナトリックス1mg錠(インダパミド)1回1錠1日1回(朝食後),またはダイアート30mg錠(アゾセミド)1回1錠1日1回(朝食後)

    三手目 :〈二手目に追加〉オルメテック20mg錠(オルメサルタン メドキソミル)1回1錠1日1回(朝食後)

    〈尿蛋白陽性の症例〉

    一手目 :オルメテック20mg錠(オルメサルタン メドキソミル)1回1錠1日1回(朝食後)

    二手目 :〈一手目に追加〉コニール4mg錠(ベニジピン塩酸塩)1回1錠1日1回(朝食後)

    三手目 :〈二手目に追加〉ナトリックス1mg錠(インダパミド)1回1錠1日1回(朝食後),またはダイアート30mg錠(アゾセミド)1回1錠1日1回(朝食後)

    【腎血管性高血圧】
    〈線維筋性異形成〉

    PTRAによる完治をめざすが,不可の場合にはRA系阻害薬で降圧治療を行う。

    一手目 :オルメテック20mg錠(オルメサルタン メドキソミル)1回1錠1日1回(朝食後)

    〈粥状動脈硬化〉

    一手目 :アダラートCR40mg錠(ニフェジピン)1回1錠1日1回(朝食後)

    二手目 :〈一手目に追加〉タナトリル2.5mg錠・5mg錠・10mg錠(イミダプリル塩酸塩)1回1錠1日1回(朝食後)。2.5mgから開始し10mgまで漸増

    腎機能が悪化する場合や十分な降圧が得られない場合はPTRAを考慮する。

    【原発性アルドステロン症】

    可能な症例では腹腔鏡下副腎摘出術を優先する。手術が施行できない症例では降圧薬治療を行う。

    一手目 :ミネブロ5mg錠(エサキセレノン)1回1錠1日1回(朝食後),ただしeGFR<30mL/分/1.73m2の症例ではアルダクトンA 50mg錠(スピロノラクトン)1回1錠1日1回(朝食後)

    二手目 :〈一手目に追加〉コニール4mg錠(ベニジピン塩酸塩)1回1錠1日1回(朝食後)

    【薬剤性高血圧】

    原因薬剤の中止が最も望ましいが,治療のために継続が必要な場合には降圧薬治療を行う。

    〈偽性アルドステロン症〉

    一手目 :ミネブロ5mg錠(エサキセレノン)1回1錠1日1回(朝食後),ただしeGFR<30mL/分/1.73m2の症例ではアルダクトンA 50mg錠(スピロノラクトン)1回1錠1日1回(朝食後)

    二手目 :〈一手目に追加〉コニール4mg錠(ベニジピン塩酸塩)1回1錠1日1回(朝食後)

    〈その他〉

    一手目 :コニール4mg錠(ベニジピン塩酸塩)1回1錠1日1回(朝食後)

    二手目 :〈一手目に追加〉オルメテック20mg錠(オルメサルタン メドキソミル)1回1錠1日1回(朝食後)

    有馬秀二(近畿大学医学部腎臓内科主任教授) 

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