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【書評】『吃音Q&A』当事者目線の愛情あふれる記述と最新のエビデンスに基づく専門家目線がうまく融合した1冊

No.5090 (2021年11月13日発行) P.66

山下裕史朗 (久留米大学医学部小児科学教室主任教授)

登録日: 2021-11-10

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吃音は,精神疾患の診断基準・診断分類を示す“DSM-5”にて,神経発達症のひとつとして位置づけられ,誰もが知っておくべきコミュニケーション症である。

まず,タイトルの『保護者からの質問に自信を持って答える!』という文言にグッと引きつけられた。「子どもの吃音の相談に自信を持って答えられる医師や言語聴覚士などの専門家はどのくらいいるでしょうか?」という問いかけから本書は始まり,相談に自信を持って答えられるようになるための一番の早道は「最新のエビデンスを知っていること」と著者は言い切っている。

本書の内容は,エントリー編,ベーシック編,アドバンス編,巻末資料の4部で構成されており,Q&A形式(母親と菊池先生との会話)で記載されており,一気に読むことができる。巻末資料は,保護者および当事者が先生や雇用者に吃音を伝えるために役立つ資料が掲載されており,ライフステージに応じて使える。痒いところに手が届く親切な内容である。

著者の菊池良和先生は,吃音の臨床・研究の第一人者であり,吃音に悩む当事者でもある。

本書は,当事者目線からの愛情あふれる記述,そして最新のエビデンスに基づく専門家目線がうまく融合された,吃音に関わる医療・福祉・教育関係者必携のバイブルである。

最新のエビデンスに基づいた吃音臨床のバイブル!
2010~2020年の海外の新しい論文を交えて,保護者の疑問に会話形式で回答しています。吃音の子どもを診る機会のある医療従事者が「正しい」診療ができるように,また,クラスに吃音の子どもがいる園・学校の先生や吃音がある子どもの保護者にも「正しい」知識がわかるように,エビデンスに基づいた内容を掲載しています。
医師や言語聴覚士などの医療従事者,福祉・教育関係者,吃音の研究を志す方,そして吃音の子どもをもつ保護者にもぜひ手に取っていただきたい書籍です。
(編集部)

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