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『妊産褥婦のメンタルヘルス診療』について著者の久保先生にお聞きしました

登録日: 2021-07-09

最終更新日: 2021-07-09

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妊産褥婦のメンタルヘルス診療

[執筆]久保隆彦(代田産婦人科名誉院長)
判型:A4判
頁数:39頁
価格:1,650円(税込)

─本コンテンツの特徴・魅力を教えてください。

産後うつ、自殺、育児放棄、虐待など妊産褥婦を巡る社会的問題が多発しマスコミでも取り上げられています。これは核家族による育児経験不足、女性の社会進出によるパワハラ・マタハラ、気質、生育歴・育児環境の問題が背景と考えられています。

私が実施した、妊娠中から産後まで多数例のメンタルヘルスを縦断的かつ詳細に調査した膨大な研究結果に基づき、妊産褥婦のメンタルヘルス障害となる背景、機序、実態について具体的な数字を提示し分かりやすく概説しました。また、本研究からの政策提言により、2017年から開始された産婦健診の問題点とその実地臨床における対応法についても提示しました。

このような妊産褥婦を妊娠前から妊娠中、産後1年まで、それぞれの時期におけるメンタルヘルスに配慮した具体的な診察法と注意点、計測ツールを用いた評価法、行政を含めた社会との連携法について記述したことが、これまでのハンドブックとは異なる特徴といえます。また、メンタルヘルストラブルを抱える母親の共通点を踏まえ、その対応として久保流「育児の三原則」も紹介しています。

─本コンテンツでスキルアップすると、臨床上、どんな良い変化が生まれますか。

現在我が国で実施されている妊婦健診は体重、血圧、尿検査、超音波による胎児計測のみが一般的であり、メンタルヘルスに配慮した診療はほとんどされていません。その結果、妊産褥婦のメンタルヘルス障害の発見が遅れる危険性があります。本コンテンツで妊産褥婦のメンタルヘルス診療法の実際と、評価ツールの限界と有用性について熟知することによりスキルアップできれば、メンタルヘルス障害を早期発見、対応でき、産後精神病、自殺、育児放棄、虐待などの予防ができる可能性があります。

また、我が国の産婦健診で最も使用されているエジンバラ産後うつ質問票は本コンテンツで解説したとおり多くの問題点があり、その評価には注意を要します。本コンテンツに示した対応法を習得することで、妊産褥婦のメンタルヘルスを適切に管理することが可能となります。

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公益社団法人 地域医療振興協会 市立大村市民病院

勤務形態: 常勤
募集科目: 総合内科・消化器内科・呼吸器内科・神経内科・整形外科 等 若干名
勤務地: 長崎県大村市

急性期から回復期、維持期までの疾患の治療・管理はもとより、予防医学としての健診事業にも力を注いでいます。
ハイケアユニットから地域包括ケア・回復期リハ病棟まで有しており、地域の皆様に対して急性期から回復期まで切れ目のない医療、充実したリハビリサービスを提供できる体制が整っております。
基幹型臨床研修指定病院として医師の教育にも寄与しています。当協会のコンセプトの1つである離島医療の支援も積極的に行っています。

救急医療体制については、1次から3次まで幅広く患者さんを受け入れています。
特に3次救急患者さんに関しましては、症状に応じて長崎医療センター及び救急隊と連携をとりながら、必要に応じた救急対応を行っています。また、2次までの救急患者さんに関しては、専門医と総合医が協力し対応しています。
救急医療についても二次救急を担っています。緊急の大血管手術やバイパス手術も行っており、長崎県内外から高い評価を受けています。
なお、日当直体制では、内科・外科系及び循環器系で 救急体制を整えています。
現在、内科・外科系の日当直体制は、内科医師が火曜日・木曜日・土曜日 の当直帯及び土曜日・日曜日の日直帯、外科系医師が月曜日・水曜日・金曜日・日曜日の当直帯に救急対応を行っています。
また、大村市夜間初期診療事業(内科系・小児科)に参画しています。
平成29年度より新病院にて診療を開始しております。
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