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人工肛門(ストーマ)[私の治療]

No.5063 (2021年05月08日発行) P.53

岡田孝弘 (オカダ外科医院院長)

登録日: 2021-05-09

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  • 消化管ストーマとは,消化管を人為的に体外に誘導して造設した開放口である。ストーマが必要となる疾患はいくつもあるが,ストーマ管理をする上で大切にしたいのは患者の気持ちである。どのようにストーマを認識し,今後のことをどのように思っているのかを聞きつつ,的確なアドバイスができれば,患者の不安は減り,上手な管理につながっていく。常に患者に寄り添い支えることでストーマがあっても安定した療養生活が可能になると思う。

    ▶状態の把握・アセスメント

    【ストーマ管理のための情報収集】

    ストーマの管理は観察から始まるが,事前にストーマに関する情報収集が必要である。退院時にはちょうどよくても退院後に太ったりやせたり,ストーマが変形して装具が付けにくくなったりする。一般診療所ではストーマ用品の入手が難しく,専門スタッフもいないので病院のストーマ外来と連携し相談しながら管理することを勧める。

    〈情報として入手したいこと〉

    ①病名,術式,ストーマの種類
    ②ストーマ合併症の有無
    ③ストーマケアの方法
    ④ストーマ装具の種類と入手方法
    ⑤トラブル発生時の対処法

    【ストーマ管理方法の確認】

    管理する上で,まずは現在行っている処置方法を見せて頂き手順を確認する。既に指導を受けて処置しているため患者が行う方法は否定せず,修正が必要なところは丁寧に時間をかけて指導する。ストーマ管理を患者自身が行っているときは,患者の高齢化や病気の進行により患者自身でケア不能となることを想定し,介護者も一緒にケアに参加し,いつでも代わりに処置できることが理想である。

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