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【医師×製薬企業コミュニケーションの「大変革」を読む ②】加速する情報提供・コミュニケーションのデジタル化─製薬企業の医療従事者サイトをどう活用するか(日本医事新報特別付録「製薬企業オウンドメディア最新ガイド2021」)

P.6

原 暢久 (株式会社プレシャス・コミュニケーション・ジャパン 代表取締役社長)

登録日: 2021-03-30

最終更新日: 2021-04-06

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  • はら のぶひさ:日本ロシュ勤務を経て中外製薬でデジタルマーケティングなどを担当。2018年にプレシャス・コミュニケーション・ジャパン設立に参加、代表取締役に就任。薬剤師。

    2020年のCOVID-19流行は多くの人々にとってまさに未曾有の出来事として記憶された。二度にわたる緊急事態宣言は人々の移動や集会等を大幅に制限し、この感染症自体、医療従事者にとって多大な負担となった。移動や集会の制限は同時にまた、医師・薬剤師をはじめとする医療従事者と製薬企業の間での医薬品に関する広告・宣伝や情報のコミュニケーション、さらには医療情報の提供等にかかるコミュニケーションのデジタル化をより一層加速させた。
    本稿では製薬企業のウェブサイトについて、医師・製薬企業間のコミュニケーションの観点からどのような経緯や役割があり、どのように活用できるかについて紹介する。(日本医事新報特別付録「製薬企業オウンドメディア最新ガイド2021」の全文はこちらから無料でダウンロードできます)

    デジタルコミュニケーションと医療従事者

    デジタル化によるコミュニケーション手段の多様化

    医師が医薬品情報をどのようなメディアから入手して、さらにそのメディアをどう評価しているかを調査した「医師版マルチメディア白書」という調査データが年2回発行されている。

    2020年版の「医師版マルチメディア白書」は6月と12月、それにCOVID-19の流行を配慮して10月に発行されたが、この白書を見ると、医師と製薬企業の間のコミュニケーション手法がその前年までに比べて大きく変化していることが見て取れる。

    情報源に対する重視度(メディアマインド)とその情報源から情報を得ている時間(接触時間)で変化を見ると、2009年はMRがメディアマインドの40%を占めていたのに対して、COVID-19流行前の2019年にはMRのマインドシェアは約25%までに下がっており、代わりにインターネットでの情報提供や会場に出向かずに視聴できるインターネット講演会等が重視されるようになった(図1)。これは、MRを情報源として重視することそのものが低下したと考えるより、むしろインターネットの発達や便宜性が受け入れられ始めたことによる情報源の多様化に伴い、自分の都合に合う選択肢として、インターネット系の情報ソースやインターネット講演会等の重視度が相対的に上昇した結果と見なすことができる。

     

    2020年にはCOVID-19流行により年度の前半から多くの医療施設でMRの訪問規制が行われたが、夏場を過ぎると訪問規制を限定的に緩める施設も見られた。その結果、メディアへの接触時間の観点からはMRとの接触時間が増えているが、やり取りの多くがメール活用にシフトした。一方、情報源の重視という点においてはMRとインターネットサイトは共に変化があまり見られず、COVID-19流行前に比べてもさほど違いはなかった(図2)。

     

    インターネット講演会は企業が実施している講演会のみならず学会等も含めて開催が増えた。インターネット上での開催は不都合な面もあるが、実際のリアルな会場集合型の従来の講演会に対して時間と距離の面では優位であり、また質問やリアルタイム性の問題も今後対応されていくことを考えると、下火になっていくことはないと思われる。

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