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■NEWS オンライン診療、初診は呼吸器感染症、再診は精神疾患が多い傾向―入院・外来医療分科会

登録日: 2025-06-25

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診療報酬調査専門組織の入院・外来医療等の調査・評価分科会は619日、オンライン診療を巡り議論した。オンライン診療が実施された傷病名について、初診は呼吸器感染症、再診は精神疾患が多いことが明らかになった。

厚生労働省のデータによると、オンライン診療による初診が保険適応となった2022年度の診療報酬改定以降、オンライン診療における「初診料」等の届出医療機関数は経時的に増加しており、2541日時点では約13400施設に上った。オンラインでの「初・再診料」等の算定回数も増え、23年は「初・再診料」等全体の0.063%を占めた。

オンライン診療における傷病名をみると、「初診料」は急性上気道炎(構成比21.5%)が、「再診料」等は適応障害(9.1%)が最も多い。対面診療の割合が全診療の5割未満の医療機関でも同様の傾向がみられ、「初診料」は急性上気道炎(24.3%)、「再診料」等は適応障害(22.2%)が最多となっていた。

厚労省はこのほか、休職相談メインのメンタルクリニックと称して、全国の患者を対象にオンライン初診を実施し、休職の診断書をPDFデータで即日送信している不適切事例があることも報告した。

オンライン診療に関する指針は初診時の向精神薬の処方を禁じており、24年度診療報酬改定ではオンライン診療の施設基準に「初診の場合には向精神薬を処方しないことを当該保険医療機関のウェブサイト等に掲示していること」との規定が追加された。

■問題のある医療機関をどう把握するかが課題―都留全日病常任理事

こうした背景もあり委員からは、「オンライン診療を健全に育てていくためにワーキンググループなどの中で精神科の専門の先生にも参加いただき、指導いただくのがいいと思う」(鳥海弥寿雄委員・東京慈恵会医科大学・前医療保険指導室室長)、「オンライン診療は利便性が評価される反面、向精神薬の不適切処方などが社会的に不安視されている。問題のある医療機関をどう把握し、対応するのかが課題だ」(都留英智委員・全日本病院協会常任理事)といった声が挙がった。

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