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■NEWS 日医が3党合意受け見解「電子カルテ義務化には賛同できない」

登録日: 2025-06-09

最終更新日: 2025-06-09

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日本医師会は6月9日、自民党、公明党、日本維新の会の3党が6月6日に現役世代の保険料負担を含む国民負担の軽減を実現するための合意書をまとめたことを受け、見解を公表した。

3党の合意書には、病床再編の拡大による余剰病床「約11万床削減」、医療DXの加速化として電子カルテ「5年以内に約100%達成」などの数値目標が明記。日医は、合意内容について基本的に賛同するとした上で、それぞれについて十分な配慮を求めた。

病床再編の拡大を巡っては、2024年度補正予算の病床数適正化支援事業で5万床を超える申請があったことを踏まえ、前向きに評価。実施に当たり「実情調査も行い各地域における医療ニーズを踏まえた上で、病床数の適正化に当たって必要な支援が行われるものであると受け止めている」との認識を示し、適正化を進める中で丁寧に意見を聞くことを求めた。病床数適正化支援事業の対象外となった4万数千床の病床については、優先的支援の対象とするよう要望。その上で、「感染症パンデミック等の有事対応も含め、地域で必要な入院医療がなくならないよう勘案することも、同時に求められる」と病床削減ありきの姿勢についてはけん制した。

■「電子カルテの強要が地域医療の崩壊につながる」

医療DXの加速化については、患者に安心・安全でより質の高い医療を提供し、医療現場の負担軽減に資するべく、日医としても電子カルテの普及推進に協力してきたと主張。一方、紙カルテを利用中の日医会員の診療所に対して行った調査で、高額な費用が理由で電子カルテの導入が不可能という回答が5割を超えたことを紹介し、「これらの医療機関に電子カルテを強要することは、懸命に医療提供に取り組んでいる医師に医療からの撤退を促し、確実に地域医療の崩壊につながる」として義務化には反対の姿勢を示した。その上で、電子カルテの普及に向けて、最大の阻害要因である費用負担の軽減(導入・維持費用の低減と十分な補助)の実現を強く要望した。

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