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(2)循環器内科受診時のリスク評価法[特集:健診でのブルガダ症候群疑い例への対応]

No.4989 (2019年12月07日発行) P.27

浅田早央莉 (岡山大学大学院医歯薬学総合研究科循環器内科学)

森田 宏 (岡山大学大学院医歯薬学総合研究科先端循環器治療学教授)

登録日: 2019-12-09

最終更新日: 2019-12-05

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ブルガダ症候群のリスク層別化では,症状の有無が最も重要である

失神例では,不整脈原性失神と非不整脈原性失神を鑑別することが重要である

無症候症例では,多くが心室細動などの不整脈イベントを起こさないが,青壮年男性,家族歴がある症例や,心電図リスクを有する場合は注意が必要である

1. ブルガダ型心電図の有病率とブルガダ症候群の疫学

ブルガダ症候群の診断に重要であるタイプ1(coved)波形〔特集1の図1(p.21)〕を参照)は,日本人の成人の検診で0.15%に偶発的に発見される1)。30~40歳代の男性で発症することが多い。このうち,心室細動(ventricular fibrillation:VF)や突然死などのイベントを起こす症例の大部分はイベント時35~54歳であり,イベント率は,VF既往例で8〜10%/年,失神既往例で0.5〜2%/年,無症候症例で0〜0.5%/年と言われている2)~4)。無症候症例では,一般に予後は良好であり,また,70歳までまったく症状やイベントを認めない例では,その後のイベント発生リスクはきわめて低いことが報告されている5)。しかし,その中から高リスク症例をいかに選別し,突然死を予防するかは重要な課題である。

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