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ペースメーカや植込み型除細動器治療の日常生活での注意点と制限は?

No.4983 (2019年10月26日発行) P.52

森田 宏 (岡山大学大学院医歯薬学総合研究科先端循環器治療学講座教授)

小川正浩 (福岡大学病院循環器内科診療教授)

登録日: 2019-10-23

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  • ペースメーカ,植込み型除細動器治療を受けている患者の日常生活での注意点,制限を教えて下さい。福岡大学・小川正浩先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    森田 宏 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科先端循環器治療学講座教授


    【回答】

    【おおむね問題はないが,一部指導が必要】

    ペースメーカ(pacemaker:PM)または植込み型除細動器(implantable cardioverter defibrillator:ICD)のデバイス植込み後の患者は,通常の日常生活において,植込み前とほとんど同じ生活を送ることが可能であると説明しています。

    ただし,普通の家庭用電化製品はおおむね問題ないですが,精密機械が体内にあることで外部の電気や磁力に影響を受けることがあるため,まったく心配がないわけではありません。

    まず生活面では,電化製品の一部(マッサージチェア,体脂肪計,全自動麻雀卓,IH炊飯器やIH調理器など),公共の設備環境(非接触ICカード,電子商品監視機器,電子タグなど),また医療施設における特定の検査・治療(MRI,高・低周波治療器など)などで注意が必要なものや避けたほうがよい機器があります1)2)。総じてこれらの環境に近づかないか,近づいた場合は速やかに離れるよう指導します。電化製品を使う場合は,直接身体に電気を通す電極を貼るタイプの治療器や,外へ強い電磁波を出す電磁調理器の使用中に近寄ることなどには注意が必要です。今後増加することが想定されている電気自動車の充電器は,デバイスに影響するため避けるよう指導します。

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