女性は閉経(エストロゲン欠乏)により急激に骨吸収が亢進し,骨量減少をきたしやすい。骨吸収が亢進すると骨微細構造が劣化(骨梁の菲薄化,連結性の低下・断裂)し,骨強度が低下するため,脆弱性骨折のリスクが高まる。
医療面接により続発性骨粗鬆症,および低骨量をきたす他の疾患を鑑別したのち,「原発性骨粗鬆症の診断基準(2012年度改訂版)」1)に従い診断する。
骨密度(bone mineral density:BMD)測定,および脊椎X線撮影による骨評価により,脆弱性骨折を認める場合には椎体,または大腿骨近位部骨折であればBMDと関係なく,そのほかの部位の骨折であればBMDが若年女性平均値(young adult mean:YAM)の80%未満で骨粗鬆症と診断する。脆弱性骨折を認めない場合にはBMDがYAMの70%以下,または-2.5SD以下で骨粗鬆症,BMDがYAMの-2.5SDより大きく-1.0SD未満では骨量減少と診断する。
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