生理(月経)・PMS(月経前症候群)を経験した女性は「イライラ感」「情緒不安定」「眠気」の症状が特に「周りから理解されにくい」と感じていることが、ツムラが7月9日に発表した調査結果で分かった。
調査は今年5月に実施。20~60代の生理を経験したことのある女性1500人と同年代の男性1500人から回答を得た。
生理を経験した女性のうち「周りから理解されにくい症状がある」と回答した人は過半数の56.8%に上り、「理解されにくいと感じる生理・PMSの症状」で特に多かったのは「イライラ感」(25.1%)、「情緒不安定」(17.9%)、「眠気」(13.7%)だった(表)。
調査では生理・PMSの症状に対する認識に男女差があることも浮き彫りとなった。
認識している症状として「眠気」を挙げた人は女性44.9%に対し男性11.7%。「胸の張り」を挙げた人は女性38.0%に対し男性は10.1%にとどまった。認識している症状の種類も女性は平均7.3種類だったのに対し、男性は平均3.5種類だった。
生理・PMSに伴うつらさが日常生活に影響すると回答した女性869人の大半(91.9%)は、人によってつらさが違うことを「知ってもらいたい」と望んでいることも分かった。
調査結果について産婦人科専門医の稲葉可奈子氏(Inaba Clinic院長)は「生理・PMSに関連する症状は数十種類に及ぶ。女性同士であっても症状の個人差が大きいことから、自分とは異なる症状やつらさに対して『なぜ?』という無理解が生じることがある。『個人差が大きい』前提で話す・聴く姿勢が重要」とコメント。
「眠気」が周囲から理解されにくいことにも注意を促し、「周囲の人は『怠けている』と誤解せず、自分の努力ではコントロールできない症状として理解することが重要。眠気は、休むしか方法がないわけではなく、適切な治療によって症状は軽減できる」と指摘している。