著: | 小森田祐二(林眼科病院付属林内科クリニック院長/九州大学大学院医学研究院病態機能内科学) |
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判型: | A5判 |
頁数: | 470頁 |
装丁: | 2色部分カラー |
発行日: | 2025年06月14日 |
ISBN: | 978-4-7849-0163-0 |
版数: | 初版 |
付録: | 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
「糖尿病の日常診療で知りたいことがすぐに見つかる1冊」
● 診断、薬の使い方から合併症の管理まで、日常診療で必要な知識を網羅
● 全88項目、それぞれ見開き2~8ページ、重要ポイントのみを厳選して記載
● 若手の入門書として、さらにベテランの知識整理・アップデートまで
● 国内外の最新ガイドラインに準じた内容(総引用文献数 522)
情報過多の時代ですが、知識を調べたり覚えたりする時間はなるべく減らしたいものです。本書を、知識の引き出しとして、あるいは頼れる外付けハードディスクとしてご活用下さい。著者が「医師3年目に出会いたかった本」を13年越しに実現した「かゆいところに手が届く1冊」です。
特におすすめしたい方
▷糖尿病を診る機会が多い非専門医
▷知識をアップデートしたい糖尿病専門医
▷一歩踏み込んで勉強したい看護師、薬剤師、管理栄養士の方
第1章 診療の全体像
1 初診患者,どう診て,どう考えるか
2 どの薬を使うか?
3 再診の基本
4 血糖悪化,どう診て,どう考えるか
5 教育入院・血糖コントロール入院
6 他科からのコンサルト
7 急性期疾患の血糖コントロール
8 周術期の血糖コントロール
9 高血糖緊急症(DKA・HHS)
10 低血糖
第2章 分類・診断基準
1 糖尿病の分類
2 糖尿病の診断
3 1型糖尿病
4 遺伝子による糖尿病
5 他の疾患に伴う糖尿病
6 薬剤による糖尿病
第3章 検査
1 HbA1c・GAの偽高値・偽低値
2 インスリン分泌能・抵抗性
3 75g OGTT
4 膵島関連自己抗体
5 インスリン抗体
第4章 治療(生活)
1 治療総論
2 食事療法
3 目標体重・カロリー・蛋白質摂取量
4 食品交換表
5 カーボカウント
6 喫煙
7 アルコール
8 運動療法
第5章 治療(薬物・他)
1 薬物療法ガイドライン
2 SGLT2阻害薬
3 DPP-4阻害薬
4 ビグアナイド薬(メトホルミン)
5 経口GLP-1受容体作動薬
6 チアゾリジン薬(ピオグリタゾン)
7 イメグリミン
8 グリニド薬
9 スルホニル尿素(SU)薬
10 α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)
11 自己注射製剤導入
12 GLP-1(GIP/GLP-1)受容体作動薬
13 インスリン製剤
14 インスリンポンプ
15 血糖自己測定(SMBG)
16 CGM
17 減量・代謝改善手術
18 膵移植
第6章 合併症・関連疾患
1 合併症・関連疾患総論
2 神経障害
3 網膜症
4 腎症(DKD)
5 動脈硬化性疾患(ASCVD)
6 心不全
7 足病変
8 高血圧
9 脂質異常症
10 高尿酸血症
11 脂肪肝(MASLD)
12 悪性腫瘍
13 歯周病
14 感染症
15 骨粗鬆症
16 うつ
17 認知症
18 サルコペニア・フレイル
第7章 特殊な背景
1 高齢者
2 若年・移行期
3 妊娠
4 緩徐進行1型糖尿病(SPIDDM)
5 透析(末期腎不全)
6 精神疾患
7 胃・食道切除後
8 膵性糖尿病
9 化学療法中
10 ステロイド
11 シックデイ
12 検査前
13 経済的問題
第8章 付録
1 問診票
2 糖尿病治療薬 eGFR別投与量
3 糖尿病治療薬 薬価一覧(2025年4月1日薬価改定)
4 糖尿病治療薬 写真一覧(注射)
5 糖尿病治療薬 写真一覧(内服)
6 血糖測定器一覧
7 医学管理料・医療費
8 降圧薬配合錠一覧
9 高齢者・認知症患者の自立度
10 有用なサイト
Column
01 エビデンスがない=効果がない?
02 糖尿病は自己責任の病気?
03 サプリは飲んでもいいですか?
04 どうしてもよくならない患者さん
05 NNT(number needed to treat)とは?
06 寄り添えないときも結構ある
07 これからの糖尿病診療
08 医局に入ってよかった?
09 本書のリミテーション(限界)
索引
糖尿病領域では,相次ぐ新薬の台頭や臨床研究,心臓・腎臓など周辺領域を含めたガイドライン改訂,診療報酬改定など,忙しい医療従事者にとって,常に新しい「知識」をアップデートするのはなかなか大変です。糖尿病診療に限らず,理想的な診療のためには「知識」「知恵」「経験」のバランスが大事だと思っていますが,「知識」を調べたり覚えたりする時間が増えると,他にかける時間が減っていくように感じます。
糖尿病診療の超一流エキスパートなら問題ないのですが,私のような,体力・精神力・記憶力が「並」の医師にとって,この3つをバランスよくブラッシュアップするのは結構大変です。AIの進歩も凄まじいですが,なるべく調べたらわかるような知識や知恵を1冊にまとめたい気持ちで,「自分が医師3年目のときに出会いたかった1冊」を目標に本書を執筆しました。
本書の対象者:
・若手医師(専攻医・研修医)
・糖尿病非専門医(糖尿病を診る機会が多い医師)
・糖尿病専門医(知識の整理に)
・糖尿病診療に関わるメディカルスタッフ
(看護師,管理栄養士,薬剤師,臨床検査技師,理学療法士,保健師など)
なるべく「知識」にかける時間を減らして,医療従事者同士のコミュニケーションの中で「知恵」を,患者さんとの話の中で「経験」を伸ばす時間に充ててもらえたら本望です。診療の合間にパッと調べることを想定して,あまり使わない情報, 理論的・病態的な説明は極力省いています。しっかり勉強したい方は,時間のあるときに(自己研鑽になるかもしれませんが),成書,文献を読んでいただけますと幸いです。
本書が,糖尿病診療に関わり始めたばかりの若手医師・スタッフの基礎固めから,ベテラン医師・スタッフの知識の整理・アップデートまで,幅広くお役に立てますと幸いです。糖尿病臨床に携わる医療従事者の方々の,「かゆいところに手が届く1冊」になることを願っています。
2025年5月 小森田 祐二
【利益相反(COI)】
製薬会社からの講演料,原稿料,寄付金(2022年以降): 0円