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【他科への手紙】皮膚科→整形外科

No.4813 (2016年07月23日発行) P.47

中田土起丈 (昭和大学藤が丘病院皮膚科医長 教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-01-23

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  • 整形外科の先生方にはいつもお世話になっております。先日も、当科を受診したネコ咬傷の患者さんをコンサルトしたところ、左示指MP関節化膿性関節炎、左示指中手骨急性骨髄炎を呈しており、緊急手術を施行して頂きました。

    反対に、整形外科の先生からは、術前に金属アレルギーの検索を行ってほしいというご依頼を頂きます。こうしたご依頼に対しましては、パッチテスト、すなわち背部や上腕の健常皮膚に調べたい物質を貼布する検査を行います。

    当科では、金属シリーズとして19種類の金属・24試薬を用意しております(種類と試薬数に差があるのは、チタンやバナジウムなど、パッチテストに最適な濃度・基材に関する結論が出ていない金属は複数の試薬を貼布しているためです)。貼布された試薬は、2日後に剥がしますが、ここでご注意頂きたいのは判定までに要する期間です。

    以前の皮膚科学の教科書には、パッチテストの判定は貼布2日後と3日後に行うと記してありました。しかし、近年、正確な判定のためには貼布7日後にも施行する必要があることがわかってきました。特に金属試薬に対する陽性反応は遅れて出現することが多いので、必ず貼布7日後にも判定を行わなければなりません。したがいまして、金属アレルギーの検索を目的とした患者さんの場合は、手術直前ではなく、時間的余裕を持ってご依頼頂きますようお願い申し上げます。

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